第6話
ネットでは、今回の事件では『正当防衛』が成り立ち不起訴にすべきだという論調が沸き起こっていた。テレビの報道番組などでも、総じて傾向は『正当防衛』で殺人罪は不起訴になるべきだとなっていた。
そして、注目の判断が下される日。
検察が発表した答えは、不起訴だった。
俺は殺人犯として裁判に掛けられることはなくなった。検察は、俺の言い分や実際に刺されている状況、母親に危害が加えられる可能性や危険性が高いと判断できることなど、様々な理由から、正当防衛を認めてくれた形となった。
不起訴処分が決まると、ネットやテレビでも妥当な判断だという論調が展開されていた。
日本中が『異議なし』といった賛同をしている中、この処分に不服を申し立てた人物がいた。
その人物とは、俺を刺さなかった方の空き巣犯の奥さんだった。
不服申し立てが行われたという情報は瞬く間にネットやテレビによって拡散された。そして、この不服申し立てによって、俺の運命が大きく変わっていくことになるとは、この時の俺は想像すらしていなかった。
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