第4話
気が付いた時、俺はベッドで寝ていた。
「ここは?」
まだ朦朧としている意識の中、何とか発した声に反応したのは母親だった。
「やっと気が付いた。ここは病院よ。今、先生呼んでくる。」
そう言うと母親は何処かに消えていった。俺は、見知らぬ天井を見上げながら、何で病院にいるのかを思い出そうとした。
『確か、空き巣連中と揉みあいになってお腹を刺されたんだっけか?そういえば、空き巣連中はどうなったんだ?』
など記憶を遡っていると、医師と一緒にスーツ姿の男が二人入ってくるのが目に入った。
医師が色々と俺のことを調べた後、そのスーツ男二人に何かを囁いている様子が目に入った。
「青田紀夫さんですね。警察の者です。」
そういうと二人は警察手帳を見せて来た。俺は静かに頷くと、そのうちの一人が質問を続けて来た。
「目が覚めたばかりで申し訳ないんですが、空き巣が入って来た当日の状況を詳しく教えて頂いても宜しいでしょうか?」
俺はそれよりも気になっていたことを先に解消したく、質問に答えず質問で返した。
「そんな事よりも、空き巣の二人はどうなりましたか?」
すると刑事二人は顔見合わせた後、
「二人とも亡くなりました。そこで、青田さんに殺人容疑がかかっています。もちろん、二人はナイフを所持していましたし、青田さんも瀕死の重症を負っていることから見ても、正当防衛の可能性も視野に捜査をしています。先ほどの質問に戻らせていただきます。当日の状況を詳しく教えてもらえませんか?」
俺は、思い出せる限りのことを素直に警察に話した。
「分かりました。また、お話を聞きに来るかもしれませんが、今日のところは帰ります。まだ意識が戻ったばかりで無理させるのも悪いので。」
そういうと刑事二人は一礼し、病室を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます