第3話
俺は空き巣を蹴落とした後、スマホを探し出して、救急車を呼びながら一階へと降りていった。母親はどうやら傷つけられている様子はなかった。
すると、パトカーが家の前に止まったのを見た母親は急いでドアを開けると警察官を家に入れた。
「大丈夫ですか?」
警察官二人が家に飛び込むと同時に、ナイフで刺しあって倒れている二人と腹部を押さえて座り込んでいる俺を見つけるや否や、母親に対して、
「空き巣はこの三人ですか?」
と問いかけた。
「いえ、空き巣はここで倒れている二人で、座っているのは息子です。」
と対応した。
警察官は一瞬、『なんで、こんな平日の昼間に成人男性が家にいるんだ?』といった顔をしたように見えた。
「一体、何があったんですか?」
警察官の一人は救急車を呼ぼうとしているのか、応援を呼ぼうとしているのか分からないが無線で何かを話しているようで、もう一人が母親から事情を聞こうとしている様子を見ながら、俺は気を失った。
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