フラグメントの庭

今村広樹

第1話

魔王廟の公式アカウントです。管理人の日常や、公式の行事、イベント、魔界の逸話について呟きます。


僕が彼女を喪ってからもう10年ほどたつけど、僕は根無草のままだった。

「うわ、ダサえ」

と、この書き出しを読んで友人のルカーチはバカにしたように吐き出した。


「お前のくだらん○○○○なんか誰も読みたくねえよ。エンタメ小説なら思わせ振りなふりじゃなくて単刀直入に書いといた方がいいと思うぜ。こういう小説の場合」

「なるほど」


彼女は、人間屈指の剣士で一騎当千、天下無双、幾多の戦いで活躍したが、結局、魔王軍に捕まった。

しかし、生来の引きこもり気質だった彼女は、牢獄生活をエンジョイしている。

『そのうちVTuberとしてゲーム実況とかしたいわ』とは当人談である。


その先輩であるVTuber業に進出した姫は、囚われている以外は快適な生活をしていて、特に門番のドラゴンと一緒にやる雑談回はウン千万再生だそうな。

「「どうも~、姫&ドラで~す!!!」」


その魔族を人は『混沌カオスたる欲深き災厄』と呼んでいた。確たる目的を持たず、ただ無分別に遊ぶような行為をすることで、人に困惑だけが残る。そんな魔族であった。

「にゃふふ、また楽しそうなことがありそうにゃ」


その少女は『絢爛けんらんたる正義の審判ジャッジメント』と呼ばれていた。彼女は公平無私で、世界を守るためにを犠牲にしていた。友も愛も。

「ぼっちじゃないもん!!!」


侍女レディースメイドはメイドの中でも、女主人のそばに仕えるもの。さまざまな特殊なスキルを要する。たとえば、動画作成とか。

「こんなことするために、魔王軍に就職したわけではないんですけどね」



魔王廟では、9月20日まで期間限定で魔王様が装備していた鎧を展示しています。興味のある方は是非お越しください!

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