惚れるとデレちゃう隣のクラスの地味子ちゃん(旧題)陰キャ扱いされている俺の幼馴染みが眼鏡外して前髪上げたらイケメン扱いされてるけど、お前ら頭おかしいんじゃねぇの?
第21話 ギャルが実はオタクとか皆好きでしょ?
第21話 ギャルが実はオタクとか皆好きでしょ?
俺達はシオリンと名乗る人物にきらびやかな店内へと案内された。
「しょ、翔平っ! 凄いよ! 僕、女の子が着てる衣装全部わかる! ちょっとマイナーのもあるけど、小物まで拘ってるし……ここはホントに凄い……」
「そ、そうか……」
茜のテンションが完凸しそうだ。
さて、店の中を見てみると席は満席で、その客の間を様々なコスプレをしている女の子達が接客にパタパタと歩き回っていた。うん、確かにみんなスタイルも良いし可愛いな。つーかあれ? これ俺達が座る場所ないんじゃね?
座る場所も見つけられずに俺達が呆然と立っていると、シオリンが声をかけてきた。
「こっちに来て来て。茜ちん達のチケットは特別優待券だから個室だよっ♪」
「「個室!?」」
シオリンにそう言われて奥に行くといくつかの扉があり、ぶら下がった札を見るとアニメのタイトルが書かれている。どうやらそのコスプレに合った小部屋があるみたいだな。
そしてその中の一つの扉をシオリンが開けて中に入るように促した。
「こちらへどうぞっ!」
俺達が部屋に入ると最後にシオリンが入って扉を閉めた。
はっ! まさか個室に入った途端にいつもの明乃に戻って口封じか!? なんかそういうの見たことあるぞっ!
「それでは改めまして【パァプルミルク】へようこそ♪ 本日は○○学園のシオリンが専属で接客致しますね!」
……普通に自己紹介したな。
ちなみに目の前のシオリンの格好は、屈めばパンツが見えそうな程に短いスカートと、これでもかっ! って胸を強調した現実の学園じゃ有り得ないような制服だ。胸元を押し上げるような形って言えばわかるか? それだ。それなのに部屋に入った途端に上のボタンを三つも外している為、今にも二つの餅がこぼれ落ちそうになっていた。これがGか……。
そして……黒髪セミロング。おい、いつもの金髪どこいった!? 茜が言ってた黒髪ってこの事か!? 似合うじゃねぇかちくしょう!
そしてそんなシオリンの事を茜は……うん。見ないようにしながらチラチラ見てる感じだな。ダメだなぁ。こういうのは折角の機会なんだから、ちゃんとじっくりガン見しないと勿体ない。むしろ見ないと失礼まである。
「それでメニューだけど、その券だと固定メニューになるよっ! 今作ってるから待っててね♪」
そう言いながら星でも出そうな程バチコーンとウィンクする。
いや、ホントお前誰だよ。
そこでさっきまで固まっていた茜が動き出した。
「えっと、僕、ココに来てみたかったんだ! この券ホントにありがとう! 明乃さん!」
「シオリンですっ♪」
「「……」」
「あけ「シオリン♪」……んん?」
どういうこっちゃ? てっきり素に戻ってここで働く事になった経緯とかの自分語りが始まると思ったんだが……。
ほら、よくあるじゃん? ホントは真面目だけど親への反抗で外ではやんちゃして……とか、逆にギャルギャルしたいけど家の都合で……とかさ? 定番のあれよ。とりあえず確認してみるか。
「シオリン?」
「はぁ~い!」
「明乃」
「……(ニコッ)」
「この券くれたのお前だよな?」
「うんっ! そうだよー! だから来てくれてシオリン嬉しい♪」
「じゃあ明乃がシオリンだよな?」
「……(ニコッ)」
そうか、シオリンで固定しろって事ね。了解。
茜にも目配せすると頷いてくれた。さすが親友。
「えっと……シオリンホントに券ありがとね。もしかして店名のパァプルって、シオリンの紫から来てるのかな?」
親友~! 全然通じてなかったわ! その質問駄目だって! 本名絡みはNGだって!
「茜ちん……あーしの名前知っててくれたんだ……嬉しい。うん、そうなんだよね。あーしがここで働いてるのはさぁ……」
いや、話すんかい!
そしてなんでそこでトゥンクしてんだよ!?
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