さて、状況を整理しよう。

‥状況を整理しようとか思う時点で最早小学一年の思考じゃなくなったな。

まず、櫻井桜乃

こいつは乙女ゲーム『桜色のキス』の主人公と同じ名前であり

俺、葉月蓮華

『桜色のキス』の攻略対象であり

小学校の6年間は全て同じクラスだが、中学の3年間は別の学校に行ってしまう。

しかし、高校で再会する所為幼馴染みポジションと同じ名前である。

乙女ゲームの世界じゃね？

って思ったと言うより気付いた瞬間に記憶が濁流となって頭に入ってきた事から、転生だか知らないが多分乙女ゲームの世界で多分間違ってないんだと思う。

前世と言っていいのか分からないが、記憶を辿ると俺は有名国立大学への入試に向けて勉強中に過労で倒れ、ついでに検査入院で色々と調べられたところで癌がみつかり余命3年。

入院生活と抗癌剤治療で苦しむくらいならと治療を断り自宅療養を選んだ。

母子家庭だった事もあり裕福とは言えない暮らしの中での入院費も馬鹿にならないしね。

特に思い残す事も思い付かずに、でもまぁ沈んでいても仕方ないのでゲーマーである姉からゲームを借りる事にした。

そのゲームこそが『桜色のキス』である。

特別やりたい事も無かった俺は地の文まで割りと覚えてしまうくらいに結構やり込んだ。

受験は当然やめた。全国模試順位一桁の俺が辞退するんだから、確実に空くだろう一枠を未来ある何処かの誰かに託した方が有意義ってもんだろ。

前世の記憶としてはこんなもん。

ただ見えないように度々母と姉が泣いていたのを知っている。

生を諦めていた俺でも女性の涙を見るのは辛かった。

だから今世では女の子の泣き顔は見たくない。

笑顔にしたいと思う。

よし、まずは葉月蓮華ルートで分かってくる俺とヒロインの回想的な事柄を整理しておくか。

授業？

とりあえず中学までなら何も聞かなくても学年一位くらいなら取れるんじゃないかな。

元受験生なめんな

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