第5話
通報者は新聞店主だった。
血相を変えて駆け込んできた王が事情を告げた。二人は現場へ急ぎ、警察官の到着を待つことになった。雨はやや小降りになっている。
王は死体発見の動揺より、警察官から受けるであろう事情聴取が不安でならなかった。
(困ったなぁ……。いろいろ聞かれるんだろうなぁ……)
彼の周辺には不法入国者、在留者が何人もおり、窃盗団、ネット詐欺の関連者と噂されている者さえいる。できれば、この場から早く立ち去りたいとの思いに強く駆られていた。
幸い、王に対する事情聴取は、発見の時間、周囲の状況、不審者を目撃したか?等の簡単なもので、気構えていた王としては拍子抜けの感を受けた。
「また後で、いろいろ聞きたいこともあるので、警察署に来てもらうかも知れなから連絡を取れるようにしておいてください」
(いろいろかぁ……。これとは別のことを聞かれるのかなぁ…。警察署に呼ばれる…?)
王は自分が抱いている不安が現実になるのを恐れた。
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