火星の誕生
火星
私とは
2015年、或る日、某テーマパークに家族で遊びに行った時、私は見ず知らずの場所に迷い込んだ。暗闇が広がっている空間だ。そこは現実界というよりかは異世界かのように思えた。それに自分に手と足がないということに気付いた。いったい何が起こっているのか、私は今何をしたらいいのか、何をするのが最善手なのかもわからなかった。何もわからないままその場に居続けたら、だいたい周りの状況がわかってきた。どうやらそこにいるのは自分だけでないらしい。ほんの数メートルほどのところに自分以外の何者かがいるではないか。数メートル?いや、よく見ると数十キロ、数万キロ、もっと先だ。そこにいる者をよく見ると、その者は白く青い光を放っている。そこで奴が何者なのかがわかった。奴は地球だ。そう確信した。地球が何キロも先で光っていたのである。なぜ地球がそこにあるのか、そう言ったことを考えようとしたが、その前に自分の存在が何なのかを理解した。わたし、火星なんだ。地球の光り輝く様子を見てそう確信した。火星からは地球が見えるのである。私が火星だとわかると、急に不安になってきた。私は人間ではない。もしやもう二度と人間に戻ることなくなにかの星が衝突して砕けるまでずっと火星のままなのではないか。そういった不安と恐怖に駆られた。そのような恐怖感が私を支配し、気を失いそうになった。そしてついに気絶した。
それからどれだけ時が経ったか知らないが、私は明るい光の下で目を覚まし、目の前には青い空が広がっていた。ここは、地球だ。
火星の誕生 火星 @kaseeeeeeiine
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