第6話 リージェンシーはニッチなジャンルなのか?!

 先日、ジェーン・オースティン好きに贈る、と題した自主企画を立ち上げたのですが、未だ参加作品は自作のみの状態です。

 検索などもしてみたのですが、なるほどほとんどひっかかりません。

 ちなみに、同じワードで小説家になろうも検索してみたのですが、なんとあちらでも、数えるほどしかひっかからないのです。

 そ、そんなことある?

 あの「なろう」ですよ。あらゆる特殊性癖を満たしてくれそうな圧倒的作品数を誇る「なろう」でその状態。


 もしかして本当に、日本では全然書かれてない……?


 ロマンス系のレーベルだと、リージェンシーは一大ジャンルです。

 ラノベ界でいくと、陰キャが学園一の美少女に突然モテ始める系の作品くらいの勢力を誇っていると言って過言ではないでしょう。

(追放された元勇者パーティメンバー系は、例えるなら牧場ものあたり?)


 書かれている母数が多いから日本語訳もたくさん出ているだけで、そもそもあまり日本では需要がない、という可能性もあります。


 あるいは、そもそもロマンス系の読者層はネット小説の読者層とあまりかぶらない、という可能性。

 こっちの方がありそうですね。


 確かに翻訳系のロマンスものは、日本人作者の商業小説だと、少女小説系レーベルというよりは、成人女性が主人公のティーンズラブ系に近いジャンルなのかも知れません。イケメン上司と……とか、社長と……とかの。


 ただ、リージェンシーものは少女小説系ジャンル優勢のネット小説と、決して相性は悪くないと思います。

 なぜといえば、貞操観念のとてつもなくお堅い世界観なのです、リージェンシーって。


・未婚の女性は、男性と二人きりになっただけで悪い評判がたち、最悪の場合、その女性は結婚することすら絶望的になる

・上記の出来事で落ちた評判を回復するのには、相手との結婚しか方法がない

・女性の望ましい結婚年齢は17歳から20歳未満くらいらしいので、ハイティーンの令嬢が主人公

・男性は逆に若い頃散々遊んだあとでようやく結婚する風潮にあり、歳の差婚になりがち


 どうでしょう、悪くないですよね?


 ちなみに上のようなお堅い貞操観念は、結婚して既婚女性になった途端、急に緩和されます(笑)


 これらの時代考証は、リアルタイムで書かれていたジェーン・オースティンや、それこそ山ほど出版されてるロマンス系、Netflixでヒットしたドラマ「ブリジャートン家」やらBBCドラマやら、資料も簡単に手に入ります。

 しかも、結婚に関して、かなりガチガチにお約束が固まってるので、一度普及さえしてしまえば、説明不要にできる部分も多いです。

 なんなら時代背景から考える必要のあるナーロッパよりも、よっぽど手間が少ない気がするんですよね。


 あとは、今書き始めれば、まだネット小説界隈ではほとんどオンリーワンのジャンルであるらしいので、草分け的存在になれることでしょう……


◇◇◇


 ちなみに、私がなぜ今突然、リージェンシーものを書き始めたかといえば、「ブリジャートン家」の存在が大きいです。

 書き出した段階では、Netflixでデモが頻繁に流れてるけどまだ視聴していない状態でした。(現在はもうシーズン1全話視聴済み)

 そこで既にリージェンシー読みたい熱が再燃してたのですが、ジェーン・オースティンの新作はもう永久に出ないし、ジョージェット・ヘイヤーの翻訳出版も止まってるし。ロマンスレーベルはあらすじ見て買ってハズレるパターンを少し前に連続で味わって、少々懲りてるし。

 しかもネット小説では目立つところに上がってくる作品もないしで、とりあえず自分で書いちゃうか!話思いついたし!


 ……このような経緯で、書き始めてかつ自主企画を立ち上げたのでした。


 どうでしょう、皆さんもとりあえず、ブリジャートン家かBBCの高慢と偏見をサクッと履修して、書き始めませんか?

 

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