赤き王にて
叢雲ルカ
序章
何故、彼は迷い続けたのだろうか?
僕は何故、彼を自由にさせないのだろうか?
分からない。
でも、ひとつ分かることは、こうでもしなければ、彼は立ち直ることはできなかった。
彼が眠りについてしばらくしたのち、僕はある賭けに出た。
もう一度彼が目を覚ますように。
彼が立ち直ってくれると信じて。
『時の放浪者の手記より』
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