吟遊詩人の日記帳

Noz

1ページ

【1歩】


 初めて踏み込んだ土地、

 空気は今までいたところとそんなに変わりはないのかもしれない。


 それでも自分にとっては右も左も分からない空想の世界。


 それは誰かのイメージを借りて創ったものかもしれない、それは誰かが言っていた言葉かもしれない。


 それでも「何を」「どうやって」伝えるのかは自分自身なのだ。

 人であれば受け取ることの出来る自分の理想郷を通して伝えたい事を文字で綴るのが吟遊詩人ではないかと思う。


 折角文字として残す能力を持った人間に生まれたのだから、自分の理想郷を作って、日々感じることだったり世の中へ向けた心の叫びを出してみようじゃないか。


 文豪と呼ばれる人だって、教科書に乗る歴史人だって、

 自分が感じたこと、思ったことを空想世界で理想郷を創って作品として残り、読んだ者が賞賛し称えたのだ。


 最初はそこまで評価されなかったかもしれない、中にはバカにする人も居たかもしれない。

 それでも後世で沢山の人に読まれることで評価されることだってある。



 自分が目指す土地まではとても長い道のりかもしれない。

 それでも伝えていこう。


 それが吟遊詩人わたしが旅をする理由になるのなら。



 広い世界のどこかで君の作品を楽しみにしている人がいる。


 その「誰か」は現実世界じゃ辛いことがあったのかもしれない。


 その「誰か」は現実世界でとても疲れているのかもしれない。


 その「誰か」は現実世界で寂しい思いをしているのかもしれない。


 私はその「誰か」の人生の中で少しでも楽しいと思えるように伝えていきたい。


 君も君の理想郷を通して伝えられるといいね。

 心の叫びや嘆き、願望を。


 これは、私が歩む理想郷を創るための旅路の始まりのうた


 この地ではどんな世界が見えるだろう。

 私の詩はどのように届くのだろう。

 いつか自分が求めていた言葉に巡り合うことは出来るだろうか?


 さあ、この街で見える景色や物、人物を綴っていこう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

吟遊詩人の日記帳 Noz @noz_laphroaig

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る