第67話 少年王と織田・和紗の野望・大公立志伝とアマテラス神皇国九州平定戦役への出陣っ!! 3

マギアンティア世界統一暦・1555年・11月3日・時刻複数未明・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・第三連合地方・キリヤ公国連合国加盟国・アマテラス織田自治神皇国・大友家領・九州島地方・北九州地方・肥前国・筑前国州周辺地域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 キリヤ公国連合国を中心としたアマテラス地方・九州地方平定戦の4日前・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 島津家による九州平定の野望、相手が織田家だけならばと・・・・・勢力圏の拡大、更には竜珠王国のショウ・レイ国王の皇太子であるユン・レイを意のままに操り、その挙句の果てに島津・久実・義久は、自ら皇太子の子を孕み、彼の王国を乗っ取ろうと画策して居た。


 その島津家の野望の始まりは、相良家・伊東家等諸大名王家と国衆達が支配する肥後国・日向国を落とした勢いは止まらなかった。


 島津家に抗う為に、大友家へと逃げ延びた者達は、大友軍と共に日向国の北端にある務志賀(むしか)地方内を流れる耳川にて激突するが、島津4姉妹の猛攻には耐え切れずに敗戦してまう。


 

 その次に狙ったのが、何所の勢力圏にも属して居ない中立勢力である龍造寺家領へと侵攻する事を計画。


 龍造寺家のやり口が気に入らないと考えて居るの噂の在った島原城の有馬家を調略し、味方に付ける事で、大友家領を通過せずに軍勢を島伝いに進めると言う大胆不敵な作戦計画を実行させた。


 その結果は、龍造寺・信美・信隆は行方不明になり、龍造寺家領の七割が島津家の手に落ちてしまう。



 しかしながら、龍造寺家の家臣達と与力国衆達も黙っては居なかった。 


 龍造寺家の宰相軍師である鍋島・尚美・茂直は、姉同然の従姉妹が行方不明と成っても、彼女は大勢の龍造寺家家臣団と国衆である地頭当主達を目の前に演説をする。


「龍造寺家の魂の火は消えて居ない。」


「皆の者っ!!我が姉従姉妹(あねいとこ)、龍造寺・信美・信隆は先祖代々の領国を守る為、家臣と与力国人衆達、そして、領民達の為に奮戦し、行方不明と成ってしまった。」


「これは絶望なのか?いや違うっ!!」


「これは始まりだっ!!卑怯にも島津家の者達は、島津家に対して、何の落ち度もない龍造寺家の領土へと押し入り、その土地を簒奪したっ!!」


「これは許される事では無いっ!!」


「この非道なる行いに対し、彼のアマテラスの覇王と謳われる織田・信長公は怒り心頭に声荒げて、島津討伐の決定したっ!!」


「更にはキリヤ公国連合国の公王で在らせらる桐谷勇治陛下も、連合国へと加盟した織田家への支援と、島津への最後通牒を布告。」


「その返答が無く、抵抗する様な素振りが在るの成らば、即座に討伐軍を起こすとの決定を下されて居られる。」


「これはっ!!天は島津に天罰を下す事を決められたに違いないっ!!」


「さあ、龍造寺の武士(もののふ)達よっ!!最後の一兵と成ってでも島津に何所の誰が正当なる正しい者のなのかを示さんが為の戦いを始めるぞっ!!」


「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」



 龍造寺家は、宰相軍師である鍋島・尚美・茂直の下で、一致団結して最後まで戦う事を宣言し、島津にゲリラ戦を展開する。



「オラオラっ!!好き勝手な事してんじゃねえぞっ!!」と叫びながらゲリラ軍を指揮する人物が居た。


 ショートカットヘアースタイルのツリ目タイプの勇ましい顔立ちをし、スポーティータイプなボデイスタイルを有した女性で、その名を江里口・絵里・常信と言う龍造寺家の四天王の姫武将の一人でもある猛者だった。 


「てめえ等を絶対えにっ!!この肥前から叩ぎだすっ!!」


「野郎どもっ!!信隆の姉貴を怪我させた落とし前っ!!キッチリと島津の連中に支払わせてやるぞっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 江里口軍は、肥前国の西側で歩兵部隊を用いて、散発的なゲリラ戦を展開する。



 それと別に肥前国の北部では、龍造寺家四天王の紅一点として知られ、頭脳戦を得意分野として居る円城寺・種美・信胤がゲリラを開始。



 彼女が得意として居る弓兵部隊と銃歩兵隊等を率いて指揮して居り、その戦い方は舌を巻くほどに優れて居ると、アマテラス九州地方では言われて居た。


 のほほんとした感じの性格で、ウェーブが掛かったロングヘアースタイルし、すらりとしたやや高めの背丈と女性としてかなり恵まれて居るボデイスタイルを有する女性でも在った。


「始めます。」


 円城寺・種美は日が沈み、夜と成った頃。


 彼女が担当者して居る地域の街道沿いを通りかかった島津軍に、奇襲攻撃を仕掛けた。


島津軍の先頭集団が円城寺隊が隠れる林近くを通り過ぎる。


「やあやあっ!!我こそは龍造寺家四天王の一人にして、百の武勇伝を誇る武士っ!!百武賢兼(ひゃくたけともかね)なりっ!!島津軍の者どもよっ!!此処から先へは通さんぞっ!!」



 島津軍の前に突如として現れたのは、龍造寺家四天王の一人で、百の武勇伝を誇って居ると言われ、僅か千の軍勢を率いて1万近くの敵勢を圧倒した事も在る豪遊で豪快な人物で、その見姿は無精ひげを生やした筋肉マンな感じの、むさ苦しい男性武将であった。



「龍造寺家四天王の百武賢兼だと?!」


「のこのこと現れて、血迷ったかっ!!」



「者どもっ!!相手は龍造寺家四天王の大将首が一人だっ!!」


「討ち取れば、恩賞が思いのままだっ!!」



「掛かれっ!!掛かれっ!!掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 島津軍と激突した百武軍は、大怪我をしない内にと10分間だけ戦って引き返しして行く。



「くっ!!此処までかっ!!退けいっ!!退けいっ!!退けええええぇぇぇーーーーーーーいっ!!」との号令を言う百武賢兼は、這う這うの体で撤退する。



 其処から更に10分後・・・・・・・・・・・・・・・・・


「者どもっ!!これ以上敵を通すなっ!!」と一隊を率いて現れたのは、龍造寺家四天王の木下昌直である。  


 これまでに幾度もの多い草で敵中に飛び込んで、その全ての戦で生還して居るほど、死地から生き延びる術を持つと言う珍しい武将で、そんな彼が得意として居るのが殿戦と言われて居り、その姿は少年風の小柄な男性武将である。


「木下だと?」


「と言う事は龍造寺家の奴目らはっ!!後が無いと見たっ!!」


「木下軍も蹴散らすぞ!!」


「掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 島津軍は又もや遭遇した龍造寺軍と交戦するが・・・・・・・・・・・・・・



「ちいっ!!此処までかっ!!」


「退けいっ!!退けいっ!!退けええええぇぇぇーーーーーーーいっ!!」と木下も撤退して行く。


 一体、龍造寺軍は何がしたいのだろうか?


「追撃じゃ、進めっ!!進めっ!!進めっ!!進めえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 龍造寺軍を壊滅させようと、島津軍は更に追撃戦を仕掛け様とする。



「お待ちくださいっ!!これ以上の追撃は罠の可能性が在ります。」


「此処は一旦、伸び切った隊列を立て直しつつ、周辺の偵察活動をして、状況の確認をっ!!」


「おおっ!!危うく罠に掛かる所であった。お主の言うとおりにしよう。」と部下に止められ、冷静さを取り戻す侍大将。


だが、其処へ更なる罠が現れる。


「今ぞっ!!島津軍を討ち破れえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」



 ドッと姿を暗闇から現わしたのは、龍造寺家四天王筆頭武将で、5人居るのに四天王と言う謎が在る龍造寺家5軍団を指揮する人物である成松信勝。


 無精ひげを生やした35歳男性武将で、統率力の在る指揮官として、九州島地方の大名王家達に知られて居る。



「何っ!?」


「今度は龍造寺四天王の筆頭武将である成松信勝ですっ!!」


「あれ?この前、江里口・絵里・常信とか言う四天王を相手にしなかったか?」


「そいつを入れると5人じゃんっ!!何所が四天王なんだよっ!!」


「それは言わないお約束みたいな物で、龍造寺四天王は、何故か5人居るのに四天王と言う謎が在る龍造寺家5軍団を指揮する人物にして、彼の御家の大物武将でありますっ!!」


「やはり、此処は殲滅戦をっ!!」


 島津軍は成松軍が現れた事で、目の前の敵に釘付けにされてしまった。


 そのタイミングを見計らって、円城寺・種美・信胤が隊列が伸び切って居る島津軍の全部隊へと奇襲攻撃を仕掛けた。


ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!



 ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!



 ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!



 ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!




 ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!



 ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!



 ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!ズダダッーーーンッ!!


 種美の号令で、一斉に火縄銃の銃声が鳴り響き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!


 ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!


 ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!


 ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!


 ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!ヒュンっ!!


 その弾込め時間を補う為の間の繋ぎ時間に、数多の弓矢が敵へと射られて行く。


 この様な戦いを龍造寺家とそれに従う与力国衆達は、肥前国各地方を転戦して行く。



 これには旧龍造寺家の領地を占領統治を任されて居る島津・利美・歳久も堪らず応戦に出て居るが、神出鬼没のゲリラ戦を展開する鍋島・尚美と龍造寺家を慕う領民達による一揆も手伝って、島津軍の被害が出る一方であった。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月8日・午前11時09分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・第三連合地方・キリヤ公国連合国加盟国・アマテラス織田自治神皇国・大友家領・九州島地方・北九州地方・筑前国州・立花地方・立花山市・立花山城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 時を置かずして同時期に鍋島・尚美は、長年の宿敵だった事もある大友家との同盟を決定。


 大友家の当主である大友・須江・奏麟も龍造寺家と連携して、キリヤ公国連合国とアマテラス織田自治神皇国からの援軍が到着まで、徹底抗戦して奮戦する決意を表明するのであった。



 そんな中、龍造寺家と直接連携して戦う事と成って居た筑後国州を領地として居る大友家の重臣与力大名王家の立花家では、立花一族の当主一族の三姉妹が出陣前の別れを惜しんで居た。



「良い、薫。例えどんな事が起こって、私達に何が在っても立花山城を守るのよ。」


「私達なら大丈夫だ。後5日もすれば織田様のアマテラス織田自治神皇国軍と桐谷勇治陛下のキリヤ公国連合国軍の援軍がやって来る。」


「それまでの辛抱だからな。なぁに、この戦の趨勢は、既に我らの勝ち戦に決まって居るのだ。」


「後は我らが此処で踏ん張って粘れば・・・・・・」


「しかし、姉様方っ!!敵はあの鬼島津なのですよっ!!万が一にもっ!!」


「そんな事は無い。」


「そうよ、あたしと紹子と為らば、如何にでも成るわよ。それにあの龍造寺家の宰相軍師として、お馴染みでも在る鍋島殿も協力してくれて居るしね。」


「お二方、そろそろご出陣の刻限です。」と配下の武将が迎えに来ていた。


「姉さま方ああああぁぁぁぁーーーーっ!!ご武運をおおおおぉぉぉぉーーーっ!!」と手を振って尊敬する二人の姉を見送る。


 その内の一人は、大友家の重臣の一人で、2強看板であり電光石火の如く戦う事から雷神と呼ばれる猛者で、立花家の現当主である立花・雪花・道雪。


 もう一人は疾風迅雷の如く敵を攻め入る事から風神と渾名されて居る猛将、高橋・紹子・運紹。


 このの二人を見送って居たのは、立花・薫・宗茂と言う先に述べた姉達の妹姫武将である。


 立花・薫は、この九州地方では、剛勇鎮西一と言われるほどの武勇の持ち主で、刀一本で敵の重い一撃を跳ねのけたり、100騎の騎兵で500名を討ち取ったりと東の古今無双の勇士又は東国無双と謳われる本多・八重・忠勝と並び称される猛将であった。


 この戦いで立花家は、その後のお家の行く末の運命の決める事に成る。


 それから程なく九州地方最後の戦い、九州平定戦は各所で勇ましい雄叫びの怒号と共に開戦と成る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!」」」」」」」」」」



 島津軍と立花軍両軍の怒号が飛び交う立花山城。


 島津家次女、鬼島津の異名で知られる島津・弘美・義広軍の10万人が、大友家の正面玄関たる立花家領を討ち破らんと、島津軍の主力軍を率いて総攻撃を仕掛けて居た。



 そんな中で本丸御殿近くまで攻め入られてしまう立花山城では、立花・薫は必死の抵抗戦をしていた。


 5日前に来る言われた、キリヤ公国連合国からの援軍が来る気配が今だ無い。


「援軍はっ!!援軍はっ!!まだなの?」


「そろそろ使者は、小倉か博多に着いた頃かと、予想ではそろそろ来ても良い頃合いの筈ですが・・・・・・・・・・・・・・・」


「このままじゃ姉さま達が・・・・・・・・・・」



 そう、3日前の最後の報せでは、高橋・紹子・運紹が籠城して居る岩屋城と立花・雪花・道雪が立て籠もって居る宝満城が、島津軍に本丸を残して、完全に包囲されて居るとの報せを受けて居た。


 3000人づつ居た兵士達も、後500人が生き残って居るだけとのこと。


 その報告が来たのと同時に、立花山城にも総攻撃が仕掛けられてしまう。


 立花・薫も姉達に倣って頑強に抵抗して見せるも、攻め来たるのは精強と知られる鬼島津の異名で知られる島津・弘美・義広軍の軍勢一隊が、3万3千人。


 払っても払っても、しつこく攻め来たり来る軍勢に、苦戦を強いられてしまう立花山城の籠城軍。


 これに関して薫は、流石は精強で知られて居る鬼島津の軍勢と舌を巻いて居た。


 包囲される前に救援の伝令官をキリヤ公国連合国が来て居ると言う博多と小倉へと向かわせて居た。

 

「たたっ大変ですっ!!三ノ丸が落ちましたっ!!」


「くっ!!此処までね。」と本丸で抵抗戦の指揮を取って居た薫は、最早これまでと観念して、腰に差して居た脇差しから短刀を引き抜いて、喉元に付き刺そうとした瞬間、傍に居た立花家の家臣達に止められた。


「お待ち下さいっ!!道雪様と運紹さまのお二方からは、万が一場合は、何としてでも宗茂様だけは落ち延びさせて立花家を継がせよとのご命令があっ!!」


「嫌よっ!!お願いだから離してっ!!姉様たちを死なせた私だけが生き残って居ても仕方がないのよっ!!お願いだから姉様の後を追わせてっ!!」


「こんな負け戦をしてしまった私が立花を継ぐなんてっ!!無理よっ!!無理なのよっ!!」 


「皆の者っ!!宗茂様を取り押さえよっ!!この城から落ち延びさせるのだっ!!」


 極限状態にまで追い込まれ、負け戦で取り乱した立花・薫は、ヒステリック状態へと陥り、自害しようとするが、それを必死に取り押さえられる家臣達。


 それでも尚も自害しようと薫は激しく抵抗し、暴れ回る。



其処へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「立花もん共っ!!ホンと良う粘ったっ!!」


「うむ、貴君ら戦いは、天に居られる毘沙門天様もご照覧で在るっ!!奮戦見事なりとっ!!」


「ギリギリまで粘るとはぁ、粋だねーっ!!さぁーて、その心意気に応えて、一刺し傾いてやんぜよおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」


 キリヤ公国連合国軍の第三連合国軍の吉川・春美・隆春と第十連合国軍の上杉・剣信・輝清と前田・慶南・益利らを併せてた1万人の軍勢が、立花山城の援兵として駆け付けてくれた。


「うわああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」


「軍神っ!!上杉・輝清っ!!」


「アマテラスからキリヤ公国へと出て行った筈では・・・・・・・・・」


「何で此処にっ!!」


「そんな事より、近づけさせるなっ!!鉄砲隊っ!!撃てっ!!撃てっ!!」


 立花山城を攻めて居た島津軍の将兵達は、一際目立つ白銀の鎧姫武者の姿と竹に雀上杉家家紋の旗印や毘沙門天の旗印等を見付けると、何所の誰かを悟り、恐慌状態へと陥る。 


 錯乱してしまう指揮官等は、軍神と恐れられる上杉・輝清を近付けさせまいと島津軍の鉄砲隊が敵援軍に対して撃ち捲くる。



 「軍神・毘沙門天の加護の前に、そんな豆鉄砲は中らないっ!!」


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!

 

 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!

 

 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!

 

 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!

 

 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!


 パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!




「ひええぇぇーーっ!!如何なってやがるっ!!」


「弾が中らないっ!!」



 島津・弘美軍旗下の将兵達は、東に軍神として知られる出たらめな突撃を見て恐怖する。


 更には撃ち掛けた鉄砲が、上杉・剣信・輝清の固有スキルである毘沙門天の加護のお陰で、何故か掠りもぜずに身体から逸れて行く。


 しかも彼女の味方にすら当たらなく成るのだから、そのスキルは余りにもチート過ぎて居た。


 何せ、備わって居る特異スキルには、敵の攻撃が当たらない。初見の攻撃が当たらない。


 二回目以降の攻撃が当たらない。あらゆる遠距離攻撃が当たらない。広範囲撲滅兵器が当たらない等の卑怯すぎるにも程が在るのだっ!!


「おおっと、おんしらっ!!今までワシらの縄張り(シマ)で散々暴れてくちゃけんね。こんの礼をぉばっ!たーぷりとしちゃけんよっ!!」


「ひええぇぇーーっ!!」


「こっちは毛利家の猛将吉川っ!!」


「どう成ってんだよっ!!」


 春美に睨まれた島津の将兵達は、逃げても逃げても、鬼の様に追いかけて来るので、手が付けられない。



「オラオラオラァっ!!オラオラオラァっ!!肝っ玉の強い奴らは居ねえのかっ!!」と朱塗りの槍と真っ赤で派手な出で立ちをした大柄の姫武将が騎兵隊を率いて突っ込んで来る。


「こっちの傾奇者も只の者じゃないっ!!」


「キリヤ公国連合国軍てぇのは、化け物揃いかよっ!!」


 ビビりながらも戦う島津軍の者達。



 その様子を立花山の山頂に在る天守閣から見て居た立花・薫は、少ないながらも援軍が到着した事に安堵する。


「風向きが変わった。新しい風が吹いた。希望の風・・・・・・・」と呟く薫。


 するとさっきまでの泣き虫の顔からキリっとした武将の顔つきになると、本来の猛将としての顔立ちとなり、将兵達に命じた。

 

「打って出るぞっ!!鬼島津ども立花の領土から叩き出せっ!!」


「出陣するっ!!」


「宗茂様のご出陣だっ!!付いて来られる者は、皆続けてえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」



「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!」」」」」」」」」」



 立花・薫・宗茂軍は、あと一歩の所で落ちかけて居た二ノ丸城門を開け放つと、城の守りを捨てて、島津立花山城攻略軍の本陣へと突撃攻撃を仕掛けた。



「たった大変ですっ!!敵の援軍が到着のせいでっ!!立花・宗茂が立て籠もる立花山城の籠城軍と共に、一斉に打って出て来ましたっ!!」


「立花山城を攻めて居た我が方の立花山城攻略軍を瞬く間に蹴散らし、本陣の在る此処へと迫って来て居りますっ!!」


「くっ!!あと、後もう一歩の所でええええぇぇぇぇーっ!!」と指揮棒を折る島津家の立花山城攻略軍の大将は、槍を取って迎え討とうとする。


「其処を退けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「小娘がああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


互いに槍をかち合わせるが、その勝負は瞬きする位の一瞬でケリが付いてしまう。



立花・薫は僅かな相手の隙間を突いて、首を槍で一突きで跳ね飛ばしてしまう。


「敵将、討ちとったりいいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーっ!!」


 薫は高らか勝ち名乗りを上げた。


 

「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!」」」」」」」」」」


 立花軍の者達は声を張り上げて薫の勝利を讃える。


「ようやったじゃけんのーっ!」と春美は一仕事を終えたので薫の下へとやって来て居た。


「その旗印と出で立ちは、もしや彼の毛利家の猛将と謳われし、吉川・隆春殿か?」


「おう、そうじゃ、わしが吉川・春美・隆春じゃけん。」


「おおっ!!毛利吉川軍の猛将っ!!こんな所でお会い出来るとはっ!!」


「そう言う貴女は、この九州では剛勇鎮西一と謳われし名将と聞きます。」


「はっ!!その白銀の鎧姿は、彼の軍神と言われて居られる上杉・剣信・輝清殿?」


「はあああっ!!これは奇跡っ!!憧れの有名な姫武士の方々が、この私の目の前にっ!!」


 薫は猛将・名将マニアなのかも知れない。


「おいおい、そんな事を言ってて良いのかよ。」と前田・慶南・益利がツッコミを入れて来た。 


「はっ!?そうだったっ!急いで姉様達をお助けせねばっ!!」



「それならば、心配ない。」


「軍神の姉貴の言う通りじゃけんね。」


「えっ?それは如何いう事ですか?」


「立花・道雪が守って居る宝満城の所には、第五連合国軍に徳川・千代・家康殿の軍勢1万人が向かい。」


「高橋・運紹に立て籠もって居る岩屋城には、第六連合国軍の佐竹・秋江・重義殿8千人。本多・八重・忠勝殿500人。上杉軍の直江・愛華・兼継殿及び大国・七恵・実頼殿達の軍勢合わせて六千人。奥州独立自治王国旗下・下野国州軍・7千人が向かって居る。」


「何れも一騎当千の武将と強力な軍勢だから安心して良い。」


「それでも行きたいか?」と前田・慶南は聞く。


「はいっ!!」


「だったら、一息入れるんじゃ、今から一休憩を入れても十分に間に合うじゃけぇのっ!」


 春美達は空からの支援が在る事を知って居て、万が一の場合は、援軍が到着前に落城しそうな場合は、キリヤ公国連合国軍の全航空隊が、島津軍に対して空爆を行う予定で居る。



 そうなれば、嫌でも撤退させられるので、戦続きで疲れて居る薫達を落ち着かせ、休ませようと言い聞かせる。


 立花山城での戦いは、如何にか間に合った。


 さて、他の者達は如何であろうか?


 立花家領での戦いは、更に苛烈を極めて行くのであった。





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