信じるべきものの為に

奈良ひかる

第1話



 その日、歴史のある建造物が燃えた。

 

 見るも無残な姿に……

 

 と言うよりは跡形もなくなっていた。

 

 

「ご覧下さい、歴史的に有名なxxxxが燃えております。


 消化活動が続いておりますが 」

 

「下がって下さい! 危ないですよ! 」


「凄い勢いで燃えております! ここからでも熱が伝わって凄く熱いです」


「入らないで下さい! 」



 小室はテレビを見ながらこれからの事を考えていた。

 

 この家はどうなるのだろうか?

 

 荷物とかって今のうちに処分した方がいいのか?

 

 断捨離とかできないんだよな、俺。

 

 いろいろと考えてみたものの、結局どうでもよくなってしまって

 

 冷蔵庫からコーラを出して飲む。

 

 プシュッ っと炭酸の音がしてゴクゴクと飲もうと思ったが

 

 詰まってしまって出来なかった。

 

 いつの間に自分が炭酸を飲むのが苦手になっている事に気づいて

 

 ちょっとへこんだ。

 

 歳を取ると出来ない事が増えて行く。

 

 小室はコーラの炭酸が抜けるの待ちながら、いつの間にか眠ってしまった。

 

 


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