第14話 12月19日 夜


「もしもし、大おば様?今日改めて達夫さんの彼女にあってきたの。そしたら死相が出ていたんですけど、どういうことかしらね?気になって今占ってみたんですけど、どうも他殺というより自然死に近い感じの結果がでたんですけど...」


「死相ね...誰かに殺されないというのであれば、何かの病気なんじゃないのかね?大病を患っているとか...」


「ん〜でも今日の彼女の話では医学的検査ではどこも異常が見当たらなかったそうよ。」


「病気じゃなくて自然死か。そうなると自殺か事故か寿命が尽きるかか。あ~ちなみに、前の事故に関して探りをいれてみたけど、これといって目ぼしい結果は得られなかったよ。そもそもあんたや達夫を襲うならともかく、達夫の彼女をわざわざ襲う意味なんてないよね...達夫の彼女が死んで得するのはアンタくらいのもんだろ?」


「確かに私くらいよね。いくらこちらの派閥が私の能力開放を望んでいるとしても、日本にまで来て労力を割くほど、私たちに余裕はないと思うし...」


「普通に考えればそうだろうね。気になるのであれば、人でなくても何かをつけておけばいいんじゃないの?」


「そうね。そうしておくわ。最も死んでしまったら私には何もできないから、すぐに対処できる状態を保たなくてはならないけど...」


「死相を回避するには根本的な何かを変える必要があるから、それが何かを見つける必要も考えなくてはね。自殺だったら、うつ病状態にあるかどうかで判断できるかもしれないし、達夫にきいてみれば何かわかるかもね。」


「そうね。達夫さんにきいてみるわ。達夫さんにも死相について話しておいた方がいいかしら?」


「その方がいいだろうね。ショックは大きいかもしれないけど、一番近くに近寄れる人間なのだから。」


「わかったわ。明日にでも伝えておくわ。」


「それにしても前の事故に引続き、死相か...達夫の彼女の死はもしかしたら『運命』なのかもね。『運命』から逃れることはできないからねぇ...抗うのを諦めて受け入れる覚悟も同時に持っておいた方がいいかもしれないね。難しいかもしれないけど、その辺の所をうまく達夫に伝えておく必要があるかもね。」


「運命か...それが予め決まっているのならお手上げね。でもそうと決まったわけでもないし、できる限りの事はやってみるわ。」


「まぁ程々にね。アタシ達にとっちゃ〜達夫との契約の方が重要だから、そっちも怠るんじゃないよ。」


「わかってるわよ。今日は話を聞いてくれてありがとう。じゃーまたね。おやすみ。」


そう言うとリアは電話を切った。


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