転生先は回復の泉の中~苦しくても死ねない地獄を超えた俺は世界最強~

碧葉ゆう

少年期編

第1話 苦しいです

 ご視聴ありがとうございます。

コミカライズした漫画から来ていただいた方々へ。

現在投稿されている小説は改稿前の物となります。したがって読みにくさや話の流れの矛盾点が見られるかもしれません。

現在一章後半まで改稿が終わっていますがまとめて修正しないと改稿前と改稿後で矛盾が生まれるので改稿版はもうしばらくお待ち下さい。

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 目を覚ますと辺り一面が真っ白な世界にいた。俺は死んだのか?


「誰か! いないのか!?」


 誰の反応もないとは思ったが声を発してみた。だがやはり反応はない。どうしようもないので誰もいない空間で一時間ほど待つ。そして、一時間後‥‥眩い光を放ちながら女の人が降りてきた。


「すみません! 遅れました!」


 目の前に現れた女性は、金髪でとても清楚な佇まいをしている。


「いえ、かまわないので呼吸を整えてください。」


 女の人はだいぶ急いでいたようで息を切らしている。


「えぇ、すみません。ごほん、天門裕也さん。あなたは私たち神々の実験対象に選ばれました。実験に付き合っていただきたいと思っております。対価にあなたを転生させていただきます。実のところ、お礼と実験はほぼ同義なんですが、我々神が少々転生させたいと思っている人物がおりまして‥‥ごほん、失言でした。忘れてください。」


 状況を理解するため俺は反応を返すことはしなかった。こんなところで取り乱しても意味がないからだ。


「つまりあなたたちは何らかの理由で誰かを転生させたいと‥‥そのための実験に僕が選ばれたってことですか? でも転生くらいなら、かなり高頻度でやっているのでは?」


「半分あたりで半分外れです。まず転移先は地球ではありません。ですので実験が必要です。失敗するわけには生きませんからね、ちなみにすでにここは地球の神界ではなく異世界の神界です。貴方の魂を地球からこの世界に送るのは成功しました。あとは転生させるだけですね。まぁ個人的に人間の魂を送ったところで、実験の意味はないと思うのですが‥‥」


「ちなみに断ったらどうなりますか?」


「はい、え? 断れるわけないじゃないですか! ‥‥もし断れば今からあなたに与える予定のスキルを減らすだけです。」


「そうですか。わかりました。では喜んでお受けします!」


「そうですかフフフ、では、3つ選んでいいですよ。好きなものを与えましょう。」



 色々とあったので時間がかかってしまったが選んだのは

 ・スキル取得難易度低下

 ・スキル経験値増加

 ・スキル限界突破 {ユニーク}

 ・鑑定


 取得するスキルは、すべてスキル系統のスキルに振らせてもらった。

 一つ目と二つ目は名前の通りだ。3つ目は通常はたとえば剛力のスキルがあったとして限界までレベルを上げたらそこで打ち止めが普通だがスキル限界突破があると超剛力といった形に進化するらしい。


 従順に話を聞いたという理由で鑑定はおまけらしい。


「さて実験。第二段階! 向こうの世界に行くとあなたは記憶を引き継いだまま、生まれ直します。 ここからが問題です。。貴方が生まれた村で出会った女の子には気をつけて下さい。ただ警戒しろというわけではありません。仲良くしてあげてください。仲良くしてくださいというのは私からの個人的なお願いなのでそこら辺は自由にしてください」


「わかったら目を閉じてください転生させます。ではさようならまた会えたら会いましょう」



 暗い暗い闇の中、目を覚ます。苦しいなんだここ! 息ができない!!


「がぼぼっがほ」


 わずかにあった空気が口からこぼれ出る。死ぬ!助けて!!転生した瞬間に死ぬとか嘘だろ!


 この時僕はまだ冷静ではなかった。それも仕方ないだろう。目を覚ましたらおぼれていたのだから。そして意識は暗転する。意識が消える前、頭の中にアナウンスが聞こえた。


『苦痛耐性(小)獲得しました。』


 再び覚醒した。肺が詰まった感じがして息ができない。まだ水の中のようだ。おかしいなぜ死んでいない? ステータスを確認しよう。


 水中の中で必死に『ステータス』と連呼するが水中で言葉が話せるわけもなく俺の言葉は水の中に消えていく。


 繰り返し練習していると再び頭の中にアナウンスの声が聞こえた。



『無詠唱』獲得


 すぐに、頭の中で『ステータス』と唱えた。正直何かをし続けてないと頭がおかしくなりそうだ。こんな真っ暗の水中で息もできず何もできない今この状況で、正気を保てる人間がいるなら教えてほしいもんだ。


 天門裕也(5歳)

 レベル8 

 魔法特性 火、水、風、土、闇、光

 スキル 

 ・苦痛耐性、

 ・無詠唱

 ・スキル取得難易度低下

 ・スキル経験値増加

 ・スキル限界突破{ユニーク)}

 ・鑑定



 と書いてある。年齢の問題はあとから考えるとして、疑問なのは水中で呼吸ができないのに生きている今のこの状態だ。どうやればここから出られる? 家族は? 考えがまとまらない。だが思考することをやめると気が狂いそうだ。



 目の焦点をずらすと体力が可視化された、体力が減った直後に回復している。おそらく原因はこの水、体力回復効果があるのだろう。取り敢えず鑑定してみると脳内に情報が流れ込んできた。



 {精霊の泉の清水}

 ・触れていると体力を回復する



 酸素などの問題は残るが、この世界では、体力が無くならなければ死なないのだろう。転生直後に溺れている今のこの現状を考えれば比較的幸運だろう。


 だがこの泉、上が土でふさがっていて出られない。常に窒息状態でかなり苦しい。軽く掘ってみるが全然上が見えない。


 その瞬間頭にアナウンスが流れる。


「苦痛耐性(中)」獲得

「精神防御(中)」獲得

「物理防御(微)」獲得


 俺の今の状況にスキルを獲得したようだ。

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