第18話 人探し

 

 齋藤さんとの間に沈黙が降りた。


 記憶喪失じゃないよ?けど酔って寝て起きたらここに居たからね。何処か知らないのは仕方ないだろう?

 齋藤さんは何言っているか理解できていない、って感じの反応だ。


 仕方ないもう一度言ってあげよう。


「ここは何県のなんていう地区の何という山?森?か教えてもらえないか?」

「………」


 あ、返事はないけどこいつ何言ってるんだろうみたいな目に変わった。もう一度言ったらどんな表情になるかね。


「ここは何県のなんていう地区の何という山?森?か教えてもら…」


「言い直さなくていいです!」


「おお。反応した」


「反応した。じゃないですよ!何言ってるんですか?記憶喪失なんですか⁉︎」


「だから言っただろう?複雑な事情があってだな…」


「それは聞きました!だからってそんな記憶喪失なんて…。この人にミミちゃん任せて大丈夫かな…」


 記憶喪失じゃありませんよ?わざわざ弁解はしないけどね。

 あと小声になったけど聞こえてるからね?きっと聴覚もレベルアップしてるよ?


「まあまあ。それで?ここはどこなんだ?」


「えーと、東京都にある高○山です。あ、でもここはおそらく、高○山の麓の近くだと思います。結構街方面だと思う方へ歩いてきたので。方角が合っていれば、ですが」


「へぇ」


「へ、へぇって…」


 良かった良かった。千葉のほうだったり神奈川の方だと帰るのが大変だが都内なら歩いてなんとかなる。実際ここの駅からは財布無くして歩いて帰ったことあるしな。7時間かかったが。


「ありがとう。疑問がひとつ解決したよ。じゃあ探しに行ってくる。安心して待っていてくれ」


「え、え?」


 なんかアワアワしてる齋藤さんを放置し、クー太たちのところへ戻る。


『おかえりー』


『おかえりなさい』


「ただいま。状況が変わったからどっちか、ハクたちを呼んできてもらえるか?」


『なら私が行ってくるわ』


「頼んだ。クー太、もう少しここから離れよう。ここだとあの人が少し移動してきたら見つかりそうだ」


『わかったー』


 ランが駆けて行き、クー太を肩に乗せ少し移動する。


「ここからでもあの人の匂いとかはちゃんとわかるか?魔物が近づいてきたりしたら助けに行かないとだしな」


『大丈夫だよー』


 肩に乗せたクー太を撫でながらランたちを待つ。クー太は耳の裏を撫でられるのが気持ちが良いようだ。気持ちよさそうにするクー太を眺めていると、クー太の耳がピクピクした。


『ランたちが戻ってきたー』


「そうか。結構早かったな」


『走ればこんなもんだよー?』


「あー、そうか。ここにくる時は歩いてきたしな」


 クー太と会話していたらすぐにランたちが現れた。


『ただいま』


『お待たせ致しました』


『予定変更ですか?』


『ご主人!わたしの出番です⁉︎』


「ランありがとう。予定変更だな。アキの出番は…まあそのうちあるさ」


 これからのことを伝える。

 ランとハクは周囲の警戒と魔物が来たら討伐。それとクレナイはアキの面倒を見つつ齋藤さんの様子見と魔物に襲われそうになっていたら助けることを。


『わかったわ』


『かしこまりました』


『わかりました』


『わたしも戦いますです!』


 案の定アキがごねた。ランもついて行きたいというかと思ったが納得したようだ。


『クレナイすまないが頼むな』


『はい。大丈夫です』


『ご主人!わたしご主人のこと待ってる間訓練したのです!今度こそ大丈夫なのです!』


 訓練って…十分、十五分くらいじゃないか…?


『あ!疑われてるです!ステータスっていうやつを見てみてほしいのです!』


 えー。数分訓練しただけでなにか変わるか…?

 まあ確認はしてみる。

 あれ?アキのレベルが上がっている。

 いや進化してから灰色の森狼をたおしてるから上がっていてもおかしくはないのだが…。



 ————————————————————


 個体名【アキ】

 種族【大栗鼠】

 性別【メス】

 状態【 】

 Lv【10】9UP

 ・基礎スキル:【噛み付きLv2】【回避Lv3】UP

       【投擲Lv1】new


 ・種族スキル:—


 ・特殊スキル: 【制限解除】


 ・称号: 【進化・使役魔獣】


 ————————————————————



 レベル上がりすぎではないか…?


「訓練ってなにをしたんだ?」


『私とハク殿相手に模擬戦を少々。短時間で能力は上がっていたのは確かです。一人で大赤蛇を倒せるくらいだと思いますが』


『ふふんです』


「すごいじゃないか」


『もっと褒めてほしいです』


 確かに凄いな。

 一度全員のステータス確認しておくか。

 小まめに確認しようと思って全然していない。まあクー太たちは戦闘はほぼしていないしな。


 ————————————————————



 個体名【中野 誠】

 種族【普人】

 職業【テイマーLv4(使役上限数♾)】

 性別【男】

 状態【 】

 Lv【14】

 ・基礎スキル:【拳術Lv3】【防御術Lv2】

       【速読Lv2】【造形Lv2】【料理Lv2】

       【毒耐性(中)Lv3】

       【精神耐性(中)Lv8】【回避術Lv1】

       【テイムLv4】【蹴術Lv1】


 ・種族スキル:【無特化】


 ・特殊スキル:【ステータス鑑定】【ボーナス(特)】

       【テイム(特)】


 称号:【適応する者】【魔物を屠る者】

   【魔物に好かれる者】




 個体名【クー太】

 種族【妖狸(亜成体)】

 性別【オス】

 状態【 】

 Lv【5】UP

 ・基礎スキル:【噛み付きLv5】UP【体当たりLv2】

       【気配察知Lv4】2UP


 ・種族スキル:【変化】


 ・特殊スキル:【制限解除】


 ・称号:【進化・使役魔獣】




 個体名【ラン】

 種族【妖狸(亜成体)】

 性別【メス】

 状態【 】

 Lv【3】2UP

 ・基礎スキル:【噛み付きLv4】【体当たりLv2】

       【気配察知Lv3】UP


 ・種族スキル: 【変化】


 ・特殊スキル: 【制限解除】


 ・称号: 【進化・使役魔獣】




 個体名【クレナイ】

 種族【大赤蛇】

 性別【オス】

 状態:【 】

 Lv【10】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv4】【隠密Lv1】

       【指導Lv1】new


 ・種族スキル:【脱皮】


 ・特殊スキル:—


 ・称号:—




 個体名【ハク】

 種族【森狼(亜種)】

 性別【メス】

 状態:【 】

 Lv【11】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv4】【気配察知Lv2】new

       【指導Lv1】new


 ・種族スキル:【群狼】


 ・特殊スキル:—


 ・称号:【変異体】




 個体名【アキ】

 種族【大栗鼠】

 性別【メス】

 状態【 】

 Lv【10】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv2】【回避Lv3】

       【投擲Lv1】


 ・種族スキル:—


 ・特殊スキル: 【制限解除】


 ・称号: 【進化・使役魔獣】


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