最高の生き方と最低な死に方

Iris

第1話:最低な死に方

アラームが鳴っている


目が覚めた


落ちている


オリビア「・・・」


AI「高度が足りませんが、射出します」


オリビア「え?」


座席ごと機体から放り出された


パラシュートが開く


やはり高度が足りずにパラシュートが開き切らない


シートのエアバックが開くがそのまま海面に叩き付けられる


座席に拘束されたまま沈んでいく


オリビア「あ・・・このまま」


ピピ


シートとパイロットスーツの遠隔操作が入力された


シートのエアバックに空気が送られて浮上を始めた


海面付近に来るとシートベルトが外れて


スーツのライフジャケットが作動する


オリビア「くそ、また死に損なった」


シートの後ろの黒い箱が外れて浮上してくる


AI「ご無事ですか?」


オリビア「・・・あぁ、君のお陰でね」


AI「そのために私がありますからね」


オリビア[あのまま、沈めたら(最低な死に方)ができたかもしれないのに・・・]


空を見上げる


戦闘機が飛んでいく


AI「救助要請を出します」


オリビア「・・・落下の衝撃であばらと左足がいってるかな・・・」


AI「3ヵ月ほど休暇が取れますね」


オリビア「・・・」


---10分前---高度10000m


β3「所属不明の機体って隣国の領空侵犯ですかね?」


β1「さぁな、昨日演習機が目撃しただけでセンサーに反応しないステルスだったらしい」


β2「見つけ次第、落として機体を確認しろって指示だからな」


β4「いいんですか?テロリストの機体ならそおまま内戦が始まりますよ」


β1「・・・上の考えはわからんよ」


β5「・・・」


β2「そろそろその空域です」


β5「・・・海の上」


β3「β5、バディができたんだって」


β5「・・・」


β3「強化人間の後ろに人は乗れないってか?」


β5「・・・今度があったらの乗せてあげる」


「ビー」アラームが鳴る


AI「下から来ます」


β5「散開しろ」


下からガトリングが撃ち込まれる


β1,2は加速する、β3,4は左右に広がる


後ろから機体が迫る


β5は機体を一度降下させて後ろから来た機体を誘導する


旋回させながら上昇させる


β3「2機いるのか?」


β2「くそ、下から来た機体はどこだ?」


β5「・・・速い」


ミサイルが発射される


AI「チャフ(デゴイ)をだします」


β5「いちいち言わなくていい」


後方でミサイルが爆発する


AI「・・・」


β5「・・・くそ、振り切れないか」


息を止めてくいしばるGがかかる


加速させ音速を超える


頭に血が回ってこない


機体を目で追う


アラームが鳴る


・・・321


β5「はぁっ・・・限界か・・・」息を吸い込む


β3「燃料がなくなるぞ」


β5「命と燃料どっちが大切だ?しゃべる余裕があるなら落としてこい」


β3「・・・」


雲を見つけて逃げ込む


機体を急降下させて雲から抜ける


β5「くそ、どこだ?」


AI「上です、後ろに回り込んでください」


β5「うるさい・・・動きが速すぎる・・・こいつらドローンか?」


AI「反応速度と機体にかかるGから推測すると無人です」


β5「機械なんかに」


AI「私も機械ですが」


β5「だまれ」


ドローンの後ろをとる


ガトリングを打ち込む


反応速度が速い


β5「くそ」


歯をくいしばって追う


Gがかかる


ミサイルをロックオンして打ち込む


チャフで防がれるのを見ながらガトリングを打ち込む


β5「ほかのやつらはなにをしている」


β2「こちらも鬼ごっこの最中だ、敵は全部で3機」


β1「悪いがβ5は1機で頼む」


β5「くそ、ふざけろ」


そういって歯をくいしばる


機体を加速させて追う


アラームがなる


AI「いくら強化人間でも血管が強化できないから無理しないでください」


β5「しってる」


さらに加速させてありったけのミサイルを発射させる


チャフの排出が間に合わなく最後のミサイルをよけて射程距離に入る


ガトリングを打ち込んで翼にあてた


態勢を崩した機体に追い打ちをかける


爆発するそれを横目に見ながら機体を上昇させる


β5「次はどこ?」

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