息車


 ふくふくとした頬の滑らかさ


 真珠を宿した生き生きとした眼


 その手で何を掴もうと言うのか


 力強く決して離そうとはしない


 忘れてゆく忘れてはならないものの化身のような君


 一人では生きていけないことを知る賢明さまでもっている


 完璧という言葉をあてがうとしたら君以外に誰がいようか


 この先に待つ崩壊と再生の往く道に


 それすらも覚悟したように穏やかに傍観している


 何物にも代えがたいほど愛しい


 同時にとても恐ろしい


 君は一体誰なんだ


 存在を越えた真の姿があるとすれば


 君は何者だというのだろう

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