彼方

上下を闇で覆われた空間に一筋の平行線が中央の朱の輝きに導かれるように伸びている


 あれを地平線と呼ぶのだろう


 それは当然のように、手を伸ばしても届かない


 距離感が掴めずにぐらりと視界が傾く


 あの光はきっと私を知らない


 あの光も自身のことを知らない


 その朱の輝きはとても孤独に感じられた



 「どうしたら、気づくことができる?」



 どこまで続くのかも分からない途方もない暗がりの中


 瞬く輝きだけが頼りだった

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