これはゲームです。

あなたは、あなたの周りに転がっている、

青白い顔をした死体の中から、たった一人の生きている者を

みつけたら、それがこのゲームの上がりです。

その代わり、間違えたら死体の仲間入りです。

一方で、生きている者は見事に隠れ通すことができたなら、

次にそのゲームを行う権利を得ます。

もし見つけられたら、貴方が死体の仲間入りです。

さて、このゲームの勝者は誰でしょうか？

死体の中から、たった一人の生きている人をみつけた人？

ちがいます。ナゼなら、みんなゲームと聞くと、

双六のように、ゴールに入ったら『上がり』で、終わりだと

勘違いしますが、これは双六ではないので、『上がり』は

単なる収益を意味します。

つまり、生きている者をみつけたら、それを収益として

手に入れる、というだけなのです。

なので、このゲームの勝者は見つかった者。

ゲームに参加することなく、収益とされた者なのです。

え？　見つけられたら、貴方が死体の仲間入り、といったじゃないか？

『貴方』は、見つかった人ではなく、読んでいる貴方のことですよ。

なぜって、それ以外は参加した者、すべて殺される運命だからです。

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