第23話 鮮度
「早く食べちゃって。もう片付けたいんだから」
「今日は疲れているんだよ。少し休ませてくれ」
「でも、新鮮なところが食べたいって……」
「そうだけど、最近は腰が痛くて……」
「腰? また……変なことしているんじゃないでしょうね」
「変なことなんてしてないよ。もう腐りかけているから……」
「ま、待ってくれ。頼む。助けて……」
「おぉ、新鮮だな。まだこんなに活きがいい」
「そうでしょ。食べないで待っていたんだから」
「お、お前たちは何だよ。何で俺を食べるんだ?」
「え? ゾンビだからだよ。生きた人間を食べるんだ」
「おいしそうでしょ? いただきま~す」
二人は一斉に噛みついた。でも、すぐに離してしまう。
だって、一噛みするとすぐ、相手はゾンビになってしまうから。
生きた人間が食糧なのに、すぐに死んで、ゾンビになるから。
お腹いっぱい、食べられないことも悲劇だけれど、
彼らにはもう一つ、不幸なことがあった。
「またご近所さんが増えちゃった……」
お皿の上に乗っていた男が言った。
「今度、新しく仲間になった者です。よろしく……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます