第3話 バス停

バスが通過していく。


このバス停には止まってくれない。


だって乗客がいっぱいだから。


でも、バスに乗っている人って、


どうして前ばかり向いているのだろう?


電車なら、対面座席もあるのに。


もしかして、バスに乗っている人が


見えている左半分しかなかったとしたら……。


そんなことはないか。


自分の想像力に、思わず笑いだしそうだ。


おっと、でも私には笑う顔がなかった。


だって私は、前半分がない人だから……。

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