第41話クリスマスミサに行ってみた!

クリスマスと言えば。


日本人はクリスマスはデートしがち。

後は友達と過ごす?

そんなイメージが強かったがこの国はやはり家族で過ごし教会のミサに行くと言うのが通例らしい。


この国はカトリックとはまた少し違う様な?宗教がメジャー。と言っても私はカトリックに詳しくは無い。


「さあ、アリスねーさんもミサに行くわよ!」

グレースちゃんは嬉しそうに私の手を引いた。

「私、ミサって初めてだわ。」

私は普通に仏教徒だったし。かと言って信心深くは無い。


「てっきり大きなパーティーが開かれたりするのかと思っていたけど。違うのねぇ。」

「クリスマスは各家庭でホームパーティーよ?プラゲ国は違うの?」

グレースちゃんは不思議そうに聞いてきた。


「違うのよねぇ。基本は彼氏彼女とデート?」

きちんとしたキリスト教徒の方以外は日本は適当だ。


そして何でもイベントにしプレゼント交換をしたがる。



そうそう。あの日・・・城から慌てて帰ってからルーカスには1度も会っていない。

向こうも忙しいのもあるけれどたまに来る誘いも断った。


だってー!!!どの面下げて会うのよ!!!


今の私には無理だ。


車に乗り込みミサのある国立教会へ。



教会は城のある街にあった。

外国映画で見た事ある荘厳な建物に外には大きなクリスマスツリー。

電飾も綺麗だ。


過去と現在が入り交じった様な教会だ。


「ミサは初めてなんですってね。賛美歌は歌えなくても大丈夫よ。」

奥様が優しく仰ってくれた。


そうか。賛美歌もあるのね。全く知らない!!


旦那様と奥様とグレースちゃんに連れられて教会の中に入った。


「わぁー。なんて美しいの!」

想像していた以上に教会は素敵だった。ステンドグラスがキラキラと光を受けて室内を照らしている。荘厳な雰囲気と華やかさ。

とてもロマンティック。


本当に日本ではこれ程の規模の教会は無いわね。


教会の中は既に賑わっていた。。参拝・・?礼拝?と言うのかな?

礼拝の信者達が沢山、座っていて私達も真ん中あたりの空いている席へ座った。


って!!1番前を陣取ってる方々はもしかしなくても王族達?!

ルーカスを発見してしまった。


うわぁ。バレませんように。


「居るわねー?ねーさん?」

グレースちゃんがちょっと意地悪そうな顔をして耳打ちしてきた。

「うん。来てたわね。」

私もボソボソと答えた。


はぁ・・・。何か溜息出る。


一先ずルーカスには気付かれる事無くクリスマスミサが始まった。


神父様、此処では司教様と言うそうだ。

そのお説教と言うかクリスマスのお話はとても新鮮だった。


そうよね。本来のクリスマスってこうでなくちゃ!

神様に祈りを捧げて。


そしてミサコンサートが開始された。


あっ。知ってる。もろびとこぞりて?だわ。

日本人が作ったゲームの世界だしメジャーなクリスマスソングを歌う聖歌隊達。

それがめちゃくちゃ上手い。


「ねーさんも歌えるのね!」

グレースちゃんは嬉しそうに微笑む。


次の曲・・・。


これクリスマスソングじゃないわよ?

え?製作者が好きなのかしら?!


聖歌隊が歌う曲は平原〇香さんのJupiterだった。

しかも・・これはボードウェン語?よね。

何か所々解らないけれど理解出来る脳内変換。

私、本当にボードウェン語覚えていたのね。馬鹿だと思っていたけれど案外頭良かったのかも。


「この曲、素敵でしょ?何百年前だったかしら?ボードウェンの歌手が作ったんですって。」

コソコソとグレースちゃんが小声で説明してくれる。


何百年?いや、そんな前じゃない?わよ?


そう言う設定なのかしらー?

深く考えてもダメね。この世界は元の世界とは違うんだし。


その後も日本の有名な曲やアメリカの映画の曲等が聞けてなかなか驚いた。


疑問を口に出来ないってきついわ。


司教様のご挨拶が終わりミサは終了した。


「グレース。ローラン家に御挨拶に行きましょう。」

「はい!お父様、お母様!アンディー来てるわ!」


あっ、本当だ。この教会ミサはどうやらお金持ち達の社交場にもなっている様でミサが終わるとパーティーの様に挨拶回りを皆さんしている。


「私は此処で待つわね。」

「うん。ちょっと待っててね。」

私が挨拶回りしても仕方が無いし。


さっきの聖歌隊の歌を脳内で反芻しながら結構理解出来てるなあとぼーっと考えながら座って待っていた。


うっ・・・。ヤバい。見つかってしまった。


バチッとルーカスと目が合ってしまって思わず顔を伏せた。


足音がこっちに来る・・・。どうしよう。逃げようか。


「アリス!」

伏せていた私の頭をポンっと叩かれた。


あー。来ちゃった。

「お久しぶりです。ルーカス王子。」

私は苦笑いで顔を上げた。

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