第5章 文化祭
第26話悪役令嬢達の集い
誕生日パーティーの翌日。
ケイトちゃん、ジャスミンちゃん、ジェニファーちゃんがベイリー家に遊びに来た。
私も?とお茶会に呼ばれて客間にやって来ると。
「アリスさん!!お疲れ様!」
凄く高いテンションでケイトちゃんが抱き着いて来て、それに習った様にジャスミンちゃん、ジェニファーちゃんも立ち上がって私にハグしに来た。
「あらあら。びっくりしたわぁ。どうしたの?!」
「だって、凄い凄い凄かったですわ!」
「私達の婚約者とのダンスを死守しただけでは無く何と第2王子とダンスするとわ。」
「あの、ジュリエットの顔。ぷッ!!あははは。ざまあみろですわね!」
全く、3人揃って悪役令嬢らしい発言だわねぇ。
そんな大騒ぎをする3人をグレースちゃんはクスクス笑って見詰めている。
今はこんな感じだけど、昨夜のテンションはめちゃくちゃ高かった。
第2王子と付き合うの?!とかどんな話をしたのかとか。
ジュリエットの話やらアンディー君との惚気だとか。それはそれは賑やかだった。
「まあまあ、落ち着いて座りましょうよ。昨日は本当に上手くいって良かったわ。」
全員揃って嬉しそうに頷いて座った。
お茶はアールグレイの良い香りの紅茶に良く見るお金持ちの茶会にある段のあるケーキとかお菓子乗せるやつ。ケーキスタンド?って言うのかしら?
それに美味しそうなお菓子がいくつも乗せて置いてあった。
「それにしても。昨日のジュリエットの行動にレオは呆れていましたわ。」
「あぁ。ローガンも詰まらなさそうな顔していましたね。」
「エドワードは第2王子を誘いに行った行動を見てジュリエットとはもう疎遠にしたいと言っておりましたの!」
それぞれ嬉しそうに報告をしてくれる。
「グレース様は?アンディー様はどうでしたの?」
ジャスミンちゃんに聞かれてグレースちゃんも悪そうな笑みを浮かべた。
「第2王子・・・へー?そんな趣味があったのか。ですって!!そう呟いたのよ!」
うふふふ。と悪役令嬢達の本当に悪そうな笑いが部屋に広がる。
嬉しそうで何よりだわ。
「アリスねーさんは第2王子とお付き合いなさるの?」
ジェニファーちゃんが直球を投げてきた。
「いや。単に面白い奴と言われただけなのよ。あの人、変人よ。」
そう言うと納得した様に皆、頷いた。
ルーカス王子は今迄、何十人も見合いをしては断り続けてきた事は有名らしい。
どんな美しい御令嬢も落とせない難攻不落。
ダンスすらしないと言う。
あら?もしや彼はゲイ仲間なのかしら?そんな感じでは無かったんだけどなあ。
でも、帰り際に携帯番号とアドレスを渡されたのよね・・・。
私のこの世界での携帯はグレースちゃんのお古を貰って使っている。
何かスマホとガラケーの中間みたいな奴で。見た目は簡単に言うと蓋付きの電卓みたいな奴だ。
「王子に連絡したの?」
グレースちゃんに聞かれてまだと告げる。
何かねえ。変人王子だし。
「連絡しなさいよ。」
「そうですわ!」
みんな強引ね・・・。まあ、メールくらいなら良いか。
何て書くか何て返事が来るのか。
振り回されそうで。
「それはさて置き!今日、此処に集まったのは次の文化祭をどうするかよ。」
私を弄っていたジェニファーちゃんだったが急に思い立った様に話を始めた。
「そうですわ。美男美女コンテスト!」
「ジュリエットが出ますわ!」
あらあら。文化祭。しかもミスコンとミスターコンがあるとわ。
「アリスねーさん。力貸して貰えるわよね?」
まじみたいだわ。
彼女達の話によると美男美女コンテストの優勝者は急接近しちゃうとか何とか。
文化祭は3日間。
その2日目に行われるコンテスト後の3日のフィナーレはやっぱりダンスパーティーがあるそうで。
優勝者同士がダンスすると言う。
金持ち、ダンス好き過ぎ問題ね・・。
海外と言うかこの世界と言うか踊り過ぎだわ。
「私がメイクしたら良いのかしら?て言うか皆、エントリーするの?あと、婚約者の皆さんも。」
そう質問すると。
「コンテストは他薦なのよ。出たく無いし出て欲しくなかったんだけど。」
グレースちゃんが俯いた。
「全員、出るのね・・・。」
あーあ。そりゃ大変だ。
「別に私が選ばれなくても良いのよ。ジュリエットで無ければ誰でも良いの。」
ケイトちゃんは苦笑してそう言った。
まあ、彼女達の誰かと誰かの婚約者なら良いという事ね。
「そうかあ。やれるか。やるしか無いわね。」
主人公を何とか阻止したい悪役令嬢達の思いを叶えて見せましょう!
「アリスねーさんだけが頼りなの。」
「お願いします!」
「貴女ならきっと出来るわ。」
そんな真剣に迫られて文化祭まであと数週間。
良いアイデアを考えるしか無さそうね。
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