第22話誕生日パーティー

ルカ君の運転でアンディー君の家に。

「ところで彼の家って近いの?」

「隣町よ。第7王子の街ジルサファイアなの。」

うーん。王子何人居るの?

まあ昔の話なのだろうけど子沢山だった時代があったのかしらね。

「アリスねーさんは?どこ出身なの?」

「日本よ。」

あっ。しまった・・・。この世界にあるのなしらぁ。と言うか言葉が通じるのも不思議なのよね?


「海外なのね。全然知らないけど。」

案外、あっさり受け入れられると言う。変な世界よねぇ。

まあ元々突然、居候してるくらいだし。

ここの人達って柔軟性があって楽だ。


「うわぁ!豪邸ねぇ!」

アンディー君の家はベイリー家と違って平屋なんだけど。

コの字型の白の洋館で何とか美術館とかそんなイメージ。

とにかく広そうだ。

外の駐車場には警備員が沢山。玄関先にもSPっぽい人がいっぱいだ。


「警備が凄いのね。やっぱり御子息や御令嬢が来られるからよね?」

そう言うと

「それもあるけど王子がいらっしゃるから。」

「王子?!」

えぇ?!今迄は出てこなかった王子ってミミちゃんのメッセージの隠しキャラ?


「アンディーのお姉さんが第3王子の婚約者なの。何時も兄弟揃って御招待しているのよね。」

何でも王子は4人兄弟。

やっぱり子沢山なのね。


「第3王子となると王位継承権も殆ど無いけど色々大変みたいなのよね。それで第4王子が19歳。」

もしや、その19歳の第4王子が?!

隠しキャラ?!

「婚約者いるわよね?」

そう聞くと

「実は第4王子と第2王子には婚約者が居ないの。第2王子なんて27歳なのに。まあ、王家の婚約者って色々と大変だし家柄とか?」

グレースちゃんの話がちょっと頭に入って来なくなった。


これは。やっぱりジュリエットの本当の狙いは第4王子?

アンディー君の誕生日パーティーでしかお近付きになる機会は無さそうだし。


魂胆が読めたわ!!

あわよくば王子狙い!?

「アリスねーさん?どうしたの?」

グレースちゃんは私の顔色を伺う様な顔で見詰めた。

「もしかすると!ジュリエットは第4王子も狙うかもしれないわ!って思ったの!」

グレースちゃんも目を見開いて納得した様に頷いた。

「それは嫌だわ!あんなのが王族になるとか!それに親戚になるじゃない!」

「有り得なくないわよぉ。」

今日は色々と阻止する事が増えそうね。


誘導された所へ車を止めて私とグレースちゃんとルカ君は車を降りた。

「ほら。エスコート!」

グレースちゃんが手を差し出す。

「あー。そーなるのねぇ。私が殿方にエスコートされたいわ。」

女性をエスコートするとは。でも、グレースちゃんなら可愛いし良いか。

去年迄のアンディー君の誕生日パーティーは執事さんかルカ君がエスコートしていたそうだ。


「ねーさんはやっぱり良い男、見付け無いとね。パーティーにイケメン居ると良いわね?」

「そーねー。でも、ジュリエット阻止の方が大事よ。」

エスコートしているけど会話は女子な私達。

それをアンディー君への誕生日プレゼントを持ったルカ君が後ろからクスクスと笑いながら着いて来ている。


「中ではアンディーが居るから会場迄で大丈夫よ。」

「OK。お届けするわ。」

玄関先の警備の方はグレースちゃんの顔を見ると深々と頭を下げた。


「いらっしゃいませ。ベイリー様。」

1人の警備が私達に付いて中へ案内してくれた。


アンディー君の家は外観通り広くて玄関はホールになっていた。

アンティークな西洋館風ね。


ドレスやタキシードの招待客が立ち話をしていても広さがある。


「ベイリー様此方へどうぞ。」

警備の方が声を掛けた。


グレースちゃんの手を取ってそのまま着いていく。

途中、途中で紳士淑女の皆様が西洋風の御挨拶をされるので私もそれに習って軽く御挨拶。


廊下も広いわぁ。

それに何気なく置いてある壺とか絵画が高そう。

会場までに部屋も幾つもあった。


ザワザワと人の声が迫ると会場は目の前だ。


「うわぁ。広いわね!」

学校の体育館くらいあるんじゃない?

それくらいは絶対あるわ。


部屋は立食パーティー形式で壁際に美味しそうな料理が並んで居た。


「アンディー居たわ。ねーさん!」

「はいはい。」

グレースちゃんに促されてそこまで御案内。

アンディー君の周りには御挨拶ラッシュって感じで囲まれているみたい。


その行列に並ぶ感じで暫く待つ。


「アンディー。お誕生日おめでとうございます。」

私の手を離しグレースちゃんが淑女の礼でアンディー君に御挨拶。

「グレース。ありがとう。」

アンディー君がグレースちゃんに手を伸ばすとグレースちゃんは微笑んで手を取った。

そこからはアンディー君の隣にグレースちゃん。婚約者同士らしい2人。


私とルカ君もアンディー君に御挨拶をしてその場を一旦離れた。


「さあ。ルカ君!ジュリエットを探すをよ!後はケイトちゃん達ね。」

「了解です。」


広い会場をぐるっと見回してルカ君と皆を探す事にした。

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