第11話校内探索
何か私が通って居た高校とは全然違うわね・・。
それは仕方ないか。こんな学校、ほんのひと握りのお金持ちが行く学校なんだろうなあ。
知らないだけで政治家の子供とか居そう・・。
外観は近代的洋館。
中はアートだわ・・・。
どんな建築家が設計したのか凄く知りたい!
校内入口を入るとエントランスがあり吹き抜けがドーンとあって自然光が取り込まれていた。
でも、適温。エアコンが惜しげも無く付いている。
靴は脱いで良さそうね。
そこは日本的なんだわ。来客用スリッパもフワフワでこんな所まで高級感。
スリッパを履いて1歩校内に足を踏み入れると
ピピッ!と音がした。
見ると本屋とかにある万引き盗難防止のセキュリティみたいな機械が置いてありランプはグリーンに光って居た。
「これ・・・。ただの許可証じゃないのか。」
多分、許可証外して入ると警報鳴りそう。
でも、試す勇気は無い。
現に中に入ってもう一度機械を見るとランプは赤く光って居た。
やっぱり鳴りそうね。
次元が違うわぁ。
許可証を付けて居るとすれ違う生徒も教師も何の疑うことも無く軽く会釈される。
私もそれに習って会釈した。
やっぱりこの学校は日本国籍のハーフや外国人が通う学校なのかしら。
日本人とは未だに遭遇しない。
それにしても!グレースちゃんの女子の制服も可愛いと思っていたけれど!
男子の制服!!良いわー!
と言うか!男子高校生!良いわね!
グレースちゃんには高校生何て興味無いと言ってしまったんだけど。
どうしよう・・。ぶっちゃけアリかも。
それよりも教師陣のイケメンっぷり。
1人くらいゲイが居ないかしらぁ。
いけない・・・。一旦、落ち着こう。私はジュリエットを見に来たんだった。
教室は覗けるのかしら。
取り敢えず3階に上がってみよう。
階段もあるけれどエレベーターもあった。
何て楽なのかしら。
エレベーターも許可証が必要で翳すとボタンを押せる仕組みだった。
3階到着。
授業はまだ始まってはおらず廊下にも結構生徒達が居た。
本当に執事っぽい人やボディーガードも居る。
一般人が気に止められないので助かる。
えーと。本当にゲームのモデルになっているならジュリエットは見たら解る筈なんだけど。
でも、あの外見は・・アニメだと可愛いけどさあ。
って!!居た!!
此方に向かって歩いて来ている。
ジュリエット?ジュリエット・ホワイトだっけフルネーム。
まさかの髪色ピンク。
そう、ピンクなのよね。ゲームと同じだ。
私も美容師免許持っているから自分も学生の頃は色んな髪色したしお客様も染めたけど。
日本人の髪色でここまでピンクに染めるのはなかなか大変だ。
それにしても。目立つわぁ。でも、ちょっと浮いてると思うんだけど。
顔は美人ね。男ウケしそうな顔立ちだ。
すれ違う時に軽く会釈された。
うーん。
この顔がモテまくる顔か。
現に1人の男子生徒が話掛けている。対してイケメンでは無い男子。
それを笑顔で受け答えしている模様。
誰にでも愛想良し。
あー。本当に女の敵ねー!
不審に思われない様に観察中。
そうこうしていると、
「アンディー様!」
ジュリエットが廊下の端から歩いてくるイケメン君を見付けて手を振り声を上げた。
アンディー君?!!
これは今日、見たかった2人目登場。
端から歩いて来るアンディー君。あー!似てる似てる。
ゲームは本当にノンフィクションで忠実再現しているわ。
アンディー君はスラッとして背が高く少し茶の混ざったほぼ金髪。そして碧眼の定番な感じのイケメンだった。
「アンディー様。おはようございます。」
「おはよう。ジュリエット。」
2人は親密そうに見える。
距離感が近い!!
離れなさいよ!!!
そう思ってイライラしていると教室からグレースちゃんが出て来た。
わーおー。
グレースちゃんは私が見てる事には気付いて居ないっぽい。
「おはよう。アンディー。」
グレースちゃんはジュリエットを無視してアンディー君に話し掛けた。
「おはよう。グレース。」
アンディー君はジュリエットとの間に入って来たグレースちゃんに苦笑した様に見えた。
あちゃー。これはちょっと逆効果よ。
「アンディー。教室入りましょうよ。」
グレースちゃんはやはりジュリエットを無視してアンディーの手を取った。
「・・・そうだね。」
少しつまらなそうな顔。ジュリエットと話をした時とは違う顔だ。
このやり取りだけで今の関係性が解った気がする。
このままじゃまた・・。この男は浮気する。
何か考えないと。
チャイムが鳴り授業開始。
廊下で授業を聞く?帰る?
他の校内を見て回ろうかしら。
もう少し校内をウロウロする事にした。
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