旅の始まり、最後の空

@yossi_0121

第1話 好きです。

「好きです。付き合ってください」

 文化祭の最終日、僕は宮島結衣に想いを告げた。初めての告白はとても緊張してるし、顔も沸騰しそうなくらい熱い。顔も赤いだろうが、それは多分夕焼けのおかげで気づかれていないと思う。目まぐるしく回る思考の中、彼女が声を発した。

 「私も...好きです。よろしくお願いします...」

 「え?...ほんとに? ほんとのほんとに?...」

 「ほんとのほんとだよ...私は石垣康太君、あなたのことが好きです...」

 「あ...ありがとう...こちらこそよろしくお願いします...」

高校生活始まってはや五ヶ月、四月に友達になった宮島さんと付き合うことになった。


           *


 文化祭の初日、友達の石垣君に『文化祭の最終日、午後四時に四階の空き教室に来てほしい』とメールで言われていたので、四時になる十分前に空き教室についた。空き教室に入ると、石垣君が窓の外を眺めていた。

 「やっほー石垣君」

 「宮島さん、来てくれてありがと」

 「いえいえ~、ところでこんな雰囲気のある教室に呼んで何かあるのかな?」

 ほんの少しだけ、石垣君が苦笑いをした。これは多分本当になにかあるんだろうなぁ、なんだろう。

 「それじゃぁ単刀直入にいうね」

 「好きです。付き合ってください」

 ...え? 好き? 誰のことが? 私のことが? 待って本当にそうならうれしすぎる。私も石垣君のことは好きだったし、なんとなく石垣君も私のことが好きなのかなって思うことも何度もあったけど、本当に好きだったなんて…

 「私も...好きです。よろしくお願いします...」

 言っちゃった! やっばい恥ずかしすぎる...嬉しすぎて恥ずかしい...

 「え? ...ほんとに? ほんとのほんとに?...」

 そうだよ! ほんとのほんとだよ! かわいいかよ! 私の好きな人かわいいかよ!

 「ほんとのほんとだよ...私は石垣康太君、あなたのことが好きです」

 「あ...ありがとう...こちらこそよろしくお願いします...」

 高校生活始まってはや五ヶ月、四月に友達になった石垣君と付き合うことになった。

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