第38話

「二人で見つめ合うなんて、母様嫉妬しちゃうわ。

 母様も、ユーリの可愛いお目々をじっと見つめたいわねー」


 かあ様うるさいです。 

僕のほっぺたをツンツンしないで下さい。

今、僕は真剣なんですよ!


 うむ。

うむうむ。分かりました。


「僕はマティアス信じましゅ」

「ありがとうございます、坊っちゃま」

「マティアスはエリーナより、ぴょん太大事にしてくれてましゅ。

 だから僕はそんなマティアス信じましゅ」

「なるほど……。

 必ず、奥様の魔の手からピョンタ殿をお守りしましょう」

「酷いわマティアスッ! 私だけを悪者にするなんて!

 ユーリに嫌われたらどうするのですかっ!」

「仕方ありません、奥様。私も坊っちゃまに嫌われたくありませんので……」

『醜い争いだ。しかしそれも、ユーリ様が尊い為、致し方ない事か……』


 ほえ?

僕、別に嫌いにならないのに、みんな変です。

ただ、ぴょん太を疑わずにぴょん太だと信じて欲しいと言ってるだけなのにねー?


 大人は素直に物事を見れない、やっかいでふくざつな生き物だから放置しておけばいい、ですか?

んー……。

 記憶さんがそう言うなら僕、お口むすむすしておきますね。

誰にもお話ししません。

えっと、ちんもくは……金?でしたよね?

記憶さんの記憶にありました!

 だから僕、お口むすむすしてお話終わるのをじっと待ちます。

早くお話が終わってほしいですし。

だって、かあ様があとでカッコイイ武器見せてくれるって言ってたから、早く終わってくれないと見れないのです!

 カッコイイ武器で、僕もバーンッ!ドカーン!キラキラー!ってしたいです!

えへへー!

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