第31話

「ユーリィッ!」

「ふぉっ!?」


 突然聞こえた大きなお声に、僕はびっくりして叫び声をあげちゃった。

慌てて周りを見たけど、誰もいないよ?


「今のお声、かあしゃまでしゅか?」


 なんかそんな気がします。


『ああ、すみません。お休みのところを邪魔されてしまいましたね』

「ふおっ!? だれでしゅか?」


 誰もいなかったのにお声だけ聞こえますよ?


「隠れんぼちてましゅか?」


 僕、見つけられるかなー?って考えてたら、お洋服がクイクイって引っ張られてました。


「お布団の中でしゅかー?」


 僕はちょこっとだけお布団をめくってみました。

あっ!ぴょん太発見です!


「ぴょん太見つけたでしゅ!」


 僕の声に、ぴょん太がハイハイでお布団から出てきました。


「ぴょん太、ハイハイできまちたね! 頑張りまちたね!」


 今まで動けなかったぴょん太が、ハイハイ出来るようになったのは凄いことです!

だから僕はたくさんぴょん太を褒めてあげます。

だって褒められると嬉しくなって、うきゃーってなっちゃうもん!

 それにハイハイしてるぴょん太は、赤ちゃんみたいで可愛いのです。


僕は出てきたぴょん太の頭を、いい子いい子します。


『あ、主人様……。恥ずかしいです……』


 あるじさまー。恥ずかしい言ってますよー。

僕はお話の邪魔をしてはいけないと、黙って静かにぴょん太の頭を撫でます。


『やはり、主人様は気付いてらっしゃらない……。どうすれば……』


 ぴょん太の頭はふわふわですねー。

そうしてぴょん太のふわふわを堪能していると、頭の上にある僕のお手手をぴょん太が握ってきました!

 ふぉー!

 ぴょん太そんな事も出来るようになったですか!

これはますます、なでなでしてあげないと……!

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