第30話

『あ、あのっ主人様……あまり激しい上下運動は、まだ、この体、に慣れて、おりませんので、出来ましたら、止めて、いただきったいのですが……うぉっ……』


 あるじさまー。なんか分かんないですが、ピョンタ困ってるみたいですよー。

お助けしてあげたいですが、僕は今ぴょん太の為にたかいたかいしてるので無理なのです。

ごめんなさいです。


「ぴょん太、たのちーでしゅか?」


 僕、ちょっと疲れてきました。

でも、ぴょん太の為にふぉおーっ!て気合入れて頑張りますよっ!


『あー、あるじっ……うおっぷ……。

 うで、腕振るのきんっ禁、止……きゅー……』


 ぼ、僕の腕ぷるぷるしてきたです。

ちょっと痛い気もします。でも、ぴょん太の為っ……!


「ふぉおーっ!! あと、十回でしゅ! 僕がんばりゅでしゅ!

 お友達のぴょん太のために! ふぁいとー! いぱちゅー!」


 こう叫べばめきめきと力が出るって、記憶さんの記憶で見ました。

だからこれで僕も、めきめきでますっ!


「ふぉおー、ふぉーっ、ふ……ぉー。いぱちゅー……。めきめきー……」


 あと三回です。でも、腕だるだるさんです。


「ぴょん太、あと、しゃん回、でちゅよ……。

 いーち……。にっ……、い。しゃー……あっんっ!」


 僕は腕をおろすとぴょん太を抱えたまま、前へと倒れました。


 ふぃー!

僕、やりきったです!

体、お疲れちゃんです!


「ぴょん太、僕ちゅかれちゃたでしゅよ……」


 また、おねむの時間がやってきましたので、お布団の中にもぞもぞと潜りこみます。


「ぴょん太、おやちゅみでしゅ」

『ふぁっ!? ダメ、ダメですよ! 寝ないでください!』


 ぴょん太が何故か僕の腕ぽんぽんしてくるです。

うみゅー。僕は眠いのです。


『時間がないんですっ! あー! もうっ!

 私の後に続いて同じ事を言ってくださいっ』

「ピョンタうるしゃいでしゅ。僕のねむねむちゃましあいでくだしゃい。

 あるじしゃまー。ピョンタのお口とめちぇくだしゃい……」

『私の後に続いて言ってもらえれば、おねむ邪魔しませんからっ! ねっ! ねっ!

 お願いですよーっ!』


 うるさいと気持ちよく寝れないのです……。

むぅ……。仕方ないのです。


「ちゅぐ言うでしゅ……」

『ありがとうございます! 今から言いますから、続けてお願いしますね!

 我、古の約定を履行せし者……』

「わりぇ、いにちえのやくちょーをりこうせしぇしもにょ……」

『汝は……の代行者なり』

「わりぇは……のだいきょーしゃにゃり……」

 その後、僕がちゃんと言えていたのかは、半分おねむだった僕には分かりません。

おねむなら仕方ないことなのです。

 大事な事なら、僕が起きてる時に言わなくちゃダメなのです。

だから、言えてなくても怒らないでほしいのです。

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