第18話

「ユーリは本当にシャルが大好きだな」


 う?

 とう様の声がなんだかしょぼーんの時と同じぐらい、元気がないよ?

 かあ様へのこうそくぐりぐりをやめてとう様を見ると、やっぱりとう様、しょぼーんってなってた。


「僕、とうしゃまの事、だいちゅきでしゅよ!」


 僕がそう言ったら、しょぼーんのとう様がキラキラとう様に変身したよ。

お胸はかあ様が一番だけどそれを言うと、とう様がまたしょぼーんとなっちゃうから、黙っておいたんだ。


「ユーリ!」

「あっ、にーしゃま、ねーしゃま。にゃかにゃおり、ちたでしゅか?」


 お部屋を出て行ったにい様とねえ様が、一緒に戻ってきたよ。

ふたり一緒だという事は、なかなおりしたのかな?


「いやですわ、ユーリったら。私達、元々仲が良いのですのよ?」

「そうだぞ。喧嘩なんかしてないからな」

「うー? でもしゃっき、言い合いちてたでしゅ」

「あれは……。そ、そう! コミュニケーションだよ! 兄妹間のね!」

「そう、そうですわ! 兄妹間の、ですわ」


 うー。なんか怪しい気がするよ。

 にい様もねえ様も、いつもよりあわわ!あわわ!ってしてます。

だから僕、ビビビッ!てきました!

 にい様もねえ様も嘘付いてます!嘘付く子は悪い子なのです!


「うしょはだめでしゅよ!」

「うううう、嘘じゃないよ!」

「そうよ! 私がユーリに嘘を、つく、なん、て……」

「じーっ……。あやちいでしゅ」

「はいっ! そこまでっ!」

「ふおっ!?」


 突然のおっきな声にびっくりしちゃった!

お口からしんぞうがばびゅーんっ!て出ちゃうかと思うぐらい、びっくりしたよ。

もう、誰ですか!おっきな声はメッ!ですよ。


「びっくちた! びっくちた! おっき声、びっくちしゅるよー」

「すまない、ユーリ。二人がなかなか本題に入ろうとしなかったから、ついな」

「おっき声、とうしゃまでしゅか……。むー。ごめんちゃしたきゃら、ゆるしゅでしゅ」

「ありがとう、ユーリ。……で、本題に入れそうか?」

「ごめん、父様。本題に入るよ。シア」

「ええ、兄様」


 う?

にい様とねえ様からお話があるのですか?


「マティアスから聞いたんだ。起きたらプレゼントがなくて、ユーリが気落ちしてるってね」

「それで、私達からユーリにプレゼントを贈る事にしたの」


 ふぉっ!?

ププププレゼントーッ!?

うきゃあー!!


「ぷえじぇんとくれるでしゅか!?

 ふぉーっ!!

 かあしゃま聞きまちたか! にーしゃまとねーしゃまが僕にぷえじぇんとくれるでしゅって!!」


 きゅあー!!

 嬉しいー!!わーい!!わーい!!

にい様、ねえ様ありがとうです!!僕、元気百倍ですっ!

 興奮しすぎて、かあ様抱っこの状態でばたばたしてたら、とう様抱っこにかわっちゃった……。

ちょっとしょぼーんです。


「そんなに喜んでくれるなんて、嬉しいな」

「ほんとうに。こんな可愛いユーリが見れるなら、毎日でもプレゼントをあげたくなりますわね。

 でもそんな事をしますと、母様に怒られてしまいますから……。ここは諦めますわ」


 ふぉおー! ま、い、に、ち、プレゼント!


「ぷえじぇんと、何くれるでしゅかっ! まいにちぷえじぇんとでも、僕だいしょぶでしゅよー!」

「ユーリ。駄目ですよ」

「あうぅぅ……」


 かあ様に怒られました。

またまたしょぼーんってなる僕です。

とう様がなでなでしてくれますが、なでなでではしょぼーんは消えないのですよ。

しょぼーん……。

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