第2話 講義

「ピアス、開けなさいよ」

目覚めた僕にユキは開口一番そう言った。

「、、、おはよう」

「おはよ」

朝に弱い僕はユキより起きるのが遅い。

「ピアス、、、ピアスかぁ」

「なによ」

「、、、ピアスって不良っぽくない?」

「いつの時代の話よそれ、、、」

ユキの顔が曇った。

「しかも、、それ、着けてる私に言う?」

「ユキは似合ってるし、可愛いからいいんだよ」

ユキの顔が晴れる。

「カズも似合うと思うし、カッコいい!」

ころころと変わるユキの表情は可愛いくてとっても愛おしい

僕とユキはベッドに出られないままだ。

そのまま少したった。

「さ、、シャワー浴びて、ご飯たべましょ!」

ベッドから起きようとするユキを、僕は抱き締めた。

「もう、、、カズ?」

「もうちょっと、、、あと少しだけ」

「ん」

ユキは、優しく僕を撫でる。

それが嬉しくって。

「ちょっと!、、、あっ」

キスをした。

首筋、肩、背中、胸、おへそ。

唇をユキの体に塗りたくる。

「、、、、バカ」


それから体液でベタベタになったユキと僕はシャワーに入って洗い流して、また汚して、ま流した。


「卵はかためがいい!」

「この前は半熟がいいって言ってた」

作ったベーコンエッグを食べながらユキはワガママを口にした。

「そだっけ?、、、んふふふ~」

何が嬉しいのか足をパタパタさせている。

朝食は基本、僕が作っている、というか家事は全部やっている。

「ねぇみて!めっちゃキレイに塗れた!」

ピンク色に塗られた爪先を見せてくる。

「うん、可愛いよ」

「でしょ!」

そのままお化粧台へと戻っていった。

大学に行く準備をしている。

「そだ、、講義終わったら連絡してね!」

「うん、わかった」

「サークル!、案内してあげる!」

「ああ、私学研だっけ?」

「そ!」

私学研、史学じゃなくて私学、好きなこと学びましょう、というフワフワしたサークルにユキは入っている。

最近できたばかりのサークルというかユキが作ったサークルで人数が少なく、浪人の頃から入るように言われていた。

「でも、初めての講義だし早めに終わると思うけど、ちゃんと待ってるのよ?」

「わかったよ」

「よろしい!」

ユキと一緒に大学へ向かった。



初めての講義はそつなく終わった。

『講義終わったよ』

ユキにメールを送る。

『オッケー』

返信はピンク色の変なクマと一緒にすぐに帰ってきた。

時計を見ながらユキを待つ。

「あれ?、、、すいません、もうここの講義って終わってたりします?」

「ええ、ついさっき」

背の高い女だ。

声は低め、黒髪の短髪で黒をベースにしたパーカーにデニムパンツを履いている。

少しニヤついている口から見える歯がギザギザしてる。すげぇ。

「あちゃ~、、何やってたか教えてもらっていい?」

「はい、、えーと、まぁ、教授の自己紹介がほとんどで、それから講義で何やるかぐらいなんで、気にしなくて大丈夫ですよ」

「んー、、、そっか、たしか明日もあるよね?」

「はい、午後に」

「おっけ、ありがと、じゃまた明日」

「はい、また明日」

女はすぐにいってかしまった。

なんなんだろ。

時計を見てユキを待った。



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