サクソフォン

真空に浮かぶサクソフォン

吹いたところで窒息するような

虚しさが漏れるばかり


吐息は生きる意味を問い掛ける

抜けた先に何がある

絶息を切り分けたら

何が見付かるんだろう


解剖学、人が死ぬだけ進歩して

人は二度死ぬ運命だ


ただ、最初は音だけだったんだ

だけど子守唄の中に帰るのはまだ早い

耳を澄ませば澄ますだけ

意識が遠退いていく


耳鳴りを追い掛けて

ただ道なりに進んでいったけど

不思議なことにどんどん確信に近付いていけたんだ

運命が味方してくれているの?

それともこの世は譜面の世界なの?

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