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目次
みなさんお静かに
刃物博物館の
軒先に病身の
外科医が突っ立っていた
まるで雨宿りでもするように
時折、空を見上げてはを
繰り返していた
道の向こうのそいつと目が合う
するとそいつは
親友を迎えるような笑みを浮かべると
口をすぼめ
その前に人さし指を立てて見せた
静かにのジェスチャー
歯と歯の間から
息の漏れる音が
聞こえるような錯覚
しー
男は次に
両手のすべての指をぴんと伸ばし
甲をこちらに向けて
胸の前に掲げた
紫色で渇いた男の唇が
ぬるぬると動く
オペを始めます
男は空を見上げ
掲げた両手を小刻みに
動かし始めた
ミリ単位の繊細な動きはまるで
小人たちのコンダクター
踊る唇、口角上げて
取り上げたよ、元気な心臓の赤ちゃん
思いの外、張りのある声で
男から声を掛けられた
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