鏡と羽子板

合わせ鏡の果ての暗がりは

後戻りできない深淵の底

笑顔薄れて真顔になって

真顔薄れて影になる

影は薄れて届かない

光は死んでどこに行く?


羽子板で殺してやる

どんなに時間が掛かっても

羽子板以外は使わないって

神に誓うよ


年の始めに死にたくない

煩悩払った矢先になんで

死ななきゃならない

おみくじは大吉だったはず


合わせ鏡の果ての暗がりは

後戻りできない深淵の底

笑顔薄れて真顔になって

真顔薄れて影になる

影は薄れて届かない

光は死んでどこに行く?


折り畳み式の鏡台の

世界はどこか他人行儀

あの人は目を合わせてさえくれない

振り向きかけの後ろ姿は動かない

死角から覗くのは

振り袖姿の女の子

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