オムライスとスープ

地上絵は

彼の説によれば

星座への

返答らしい

んなわけないじゃんと言ったって

彼は聞く耳持たずに

私を憐れむ


むっとして

どこか外国の学者の説を

ケータイに映して彼の眼前に

かざす

だけど彼は微笑んで

ますます私を

憐れんだ


クッションを彼の頭の上に

叩き付け

そのままクッションを顔に押し付ける

窒息死させたことにして

憂さ晴らし

不死身の彼は

訝しげに

またも私を

憐れむ


昔々のことも

結構だけど

あたしとしては

作った料理への

返答が

今すぐ欲しくて

たまらない

あたしは君みたいに

不死身じゃないよ


たまには、あたしの心も見透かしてほしい

オムライスの中身を覗くより

難しいかも知れないけれど

多分、君には容易いはず

ケチャップで描いたハートから

地上絵を思い浮かべるくらいだからね

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