て
生きているのが
それならいっそのこと、両手として生きてみよう
あなたは右手
きみは左手
涙を払った指先を、まずはきれいに洗ってしまおう
それから、しっかり、
マニキュアでおしゃれに決めてもいいし
そしたら
街に出て少し
いつもより手を大きく振って
風をかくように
そして
帰ったら手を洗おう
いつもより少しだけ
指のあいだも、爪のあいだも
寝るまえはマッサージなんかしたりして
誰かの肩を
今日もお疲れさま、なんて
そんなことをしていると
なんだか両手が
お
胸に手をあててみよう
あったかさと
自分は生きているんだ、なんて
あたりまえのことが頭に浮かんで
ますます両手が愛おしくなって
あなたは右手
きみは左手
でもその両手は
あたりまえのことだけど
あなたと
あなたのもので
そして、なにより、あなた自身
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます