紅茶

あんなに好きだったのは、私の勘違かんちがい?


はなやかなかおりは

いつのにか消えていて

飲まずにめたティーパックの紅茶こうちゃのように

あかそこまっている


あんなに好きだったのは、私の勘違い?


なぐさみに、レモンを一切れ浮かべても

いミルクをそそいでみても

香りや味はすこしもざることはなく

ただとろけるように分離ぶんりして

いたずらにレモンとミルクを台無しにするばかり


紅茶はますます冷めて

底に溜まるくれない

コールタールのように

きそって底へ底へとしずんでいく


ためしにげたティーパックは

あかしずくしたたらせ

ずたぶくろのようにれていた


あんなに好きだったのは、私の勘違い?

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