また君に

@Sekai_mobuo

第1話 

俺は静かな人間が好きだ。周りの奴らが騒いでいると耳が痛くなるので嫌いだ。そうやって自分の心をカプセルに閉じ込めていると誰も俺には寄り付かなくなってクラスでは浮いてしまった。しかし俺のクラスは俺の他にももう1人浮いてる奴がいる。「東条 凛」彼女は容姿端麗、成績優秀。趣味は読書だ。しかし彼女には誰も近寄らない。なぜなら彼女は無愛想で常に本を熟読しているからだ。話しかけて挨拶されたらいい方で普段は無視を決め込んでいる。俺は彼女の隣の席に位置していて、休み時間は常に自分の席で寝たふりをしている。俺は時折彼女を見ると彼女はとても生き生きと難しそうな本と睨めっこしている。その時俺は「変な女…」と狭い机の上で彼女と反対側を向いていつも通り寝たふりをしたが、いつの間にか俺は毎日彼女を見ていた。いや、見てしまっていたのだ。俺はふと彼女と話すきっかけが欲しくて本を買おうと思い書店に向かった。店員に「どの本が一番人気ですか」と尋ね、その本と『100万部突破!!』と書かれたラノベを購入し家に帰った。家に帰ると聞き慣れた親の声。「おかえり」と言われると「…!!」急に頭痛がして涙が溢れていることに気がついた。母親は「ええ!学校でいじめられてるの!?待っててね!今お母さんが…!」と慌てる母親に俺は「いやさっき頭打って痛くて涙出たんだよ!」と慌てて返事をした。父親は家中響き渡る声量で笑うと「さぁ飯だ!」と言いニカっと笑った。俺は「お母さんお腹すいた…」と言うと母親は「そうね、でも何かあったらすぐにいいなさい」と優しく笑った。夕食を食べた後俺は今日買った本を袋から取り出すとブックカバーに包まれた二冊の本を手にとった。「ちょっと読んでどっちを持って行くか決めるか。」そう思い次の日持って行こうと思った本はラノベだった。

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