第7話 老騎士と月夜の王と転送魔法と
「大丈夫だ、オレ達が前衛に立って絶対に君たちを守ってみせるからね」
イーサンの言葉を聞くと若者達の強張った表情が少しずつほぐれていった。
城の扉がひとりでに開き、一行は中へと入っていった。すると入ってすぐの所で1人の女性が我々を待ち構えていた。
「ようこそおいで下さいました。冒険者御一行の方々、我らが
「あ…ああよろしく頼む」
案内人の女性を見て若者達が何やら騒いでいる。
らせん階段を4階まで上り、まず入る部屋。アーチ状になった天井が印象的であった。壁にはとある騎士と王女の悲恋物語が描かれている。
それから更に廊下を渡るとようやく広間をへとたどり着くとバタン!と突然、扉が開き、中の部屋が見えた。オレはキラキラ光るその豪華な赤い絨毯やシャンデリラに目のくらむ思いがした。その先にある玉座に若い男性が座りっ不敵な笑みを浮かべている。
「彼らの案内ご苦労であったマリーヌよ」
「ハハッありがたきお言葉」
イーサン達3人は座っている男を囲み、非友好的な感情で彼の方を上目で鋭く見つめたが彼はニヤリと不敵な笑みを浮かべたままであった。
「このビリビリ来る感覚………お前が親玉だな。
オレはセントラシア公国からお前ら
突然、吸血鬼どもがゾロゾロと飛び出して来て
イーサンを睨みつけながらジリジリと囲んでいく。
「ほほう、よく分かっておるな小僧———————
いかにも———余が月夜の王ロドス・ヴァン・イブロフであるぞ愚鈍な冒険者ども——————」
「
直後、ロドスの影が四方八方に広がり、そこから無数の黒い刃が形成されていった。いずれの刃も、人体を易々と引き裂き、切り刻むドス黒い暗黒の刃である。
「食らうがいい、
ジュロムは魔法を唱え酸の嵐を起こした。
しかしロドスの身体から煙が出てはいるが彼は表情ひとつ変えずまるで雨の中を散歩するかのようにゆうゆうと足を進めている。
「バカな、たいしてダメージになっていないだと」
「下がれジュロム、お前は後方から援護を頼む」
イーサンとザードルはジュロムと入れ違うように
スパッと勢いよく飛び込み、ロドスに斬りかかったがものすごい速さで動く暗黒の刃にぶつかり弾かれてしまった。
ロドスとイーサンの剣戟が始まるとあたりに鳴り響く甲高い金属音、それは途切れることなく続いた。
冒険者3人の戦いを見守るヨハン達の前にマリーヌが両手を広げると足元から魔法陣が形成されていった。
「では、アナタ達はこちらでお相手させて頂きます。フフッ……
マリーヌに魔法をかけられて青い光に包まれ、ヨハン達はフッと消えていった。
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