残念な脳ミソ。

御手洗孝

忘れるということ。

ふと。

テレビから聞こえてきた音楽に手を止める。

「あ、結構いいな、この曲。用事が終わったら調べよう」

わざわざテレビの前に行き、片隅に表示されている歌手名を覚える。

…………。

用事が終わった時。

歌手名は脳ミソには刻まれていない。

最低バージョンの時は、調べようと思ったことすら忘れ、数日後思い出す。


「記憶力逝っちゃってんな。次はメモしよう」


…………。

メモしようと思ったことを忘れている。

この脳ミソには短期で記憶するという機能が欠けているようだ。

なのに。

「あ~~~なんで覚えて無いんだよ!」

という事実は忘れていない。

さらに。

「まぁ、いっか~」

と覚えていた事実すら忘れようとする。


なんて、残念な脳ミソなのか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る