表の顔と裏の顔
わたしとトウマは同じ高校に通っていた。クラスが一緒になった二年生の途中から付き合い始めた。
そのとき、彼は室長を務めていて、誰とでも分け隔てなく話せるタイプだった。ある一部の男子のようにバカ騒ぎをするわけでも無いが、特定の仲の良い友人もいるし、皆とは一定の距離を保ちつつも、周りに好かれる人だ。
一方でわたしは、用事がなければほとんど男子とは喋らず、教室の片隅で静かに勉強しているようなタイプ。友人付き合いもそこそこあって、お喋りも楽しむが、興味がなければ自分から進んで交流はしない。
クラスでの外面は優等生、じつは中身はおっちょこちょいである。
そんな私たちがいろいろあって付き合うことになるわけだが、(馴れ初めはまた機会があれば!)恋人同士となれば、相手の裏の顔も見ることになる。さて、トウマにはどんな裏の顔があるのか……
結論。裏表がねぇ!!
付き合ってもまったく変わらなかった。距離は近くなって、いろんな話もするようになったけど、変わらなさすぎる。付き合う前から感情はよく顔に出てる人だったし、優しい態度も変わらない。え、あなた、聖人ですか?というほどブラックなところがない。
対してわたしはというと、彼に甘えられるようになったと言えば聞こえはいいが、もともとしっかりしている人物に見られていたところに、実はうっかりの、おっちょこちょいの、忘れん坊の、だらけるのが好きな人、である。
落差、激しすぎる……
こんなにダメなところを見せても、受け入れて微笑んでくれる彼氏、手放せませんよね?
今日もわたしはトウマのかわいいを糧に、良い女を磨くべく、しっかり睡眠を取ろうと思います!
(何言ってんだ、ただ寝たいだけ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます