7.
「リオかわいい。それってやきもちっていうんでしょ?」
「え?」
言われてみると私、まだ見ぬヒロインに嫉妬してる……? それに気がついた私の顔はみるみる真っ赤になった。私は、先生の優しさなのかシオンのお願いで係がすべて同じになった。全部同じってどういうこと……。私とシオンは『おはながかり』となったが、前まではそんな係なかった。用務員のおじいさんがやってたのに。まぁ、花は嫌いじゃないので係がんばろうと思う。
「ねぇ、なんでリオとシオンとなりのせきなの?」
隣にいた男の子は違うところに座っているようだ。
「んー? ぼくわかんない」
うそつけ!! さっき先生に言いに行ってるところ見たからね!! このままだと私仲いい友達モモちゃん以外に出来ないんじゃ……。それに私、一生に1度は彼氏欲しいよ? ふられたとき『ぽっと出の女に男を奪われた女』になる未来しか見えないけど? かといってヒロインに勝てるわけないし、シオンにずっと好かれる自信もない。
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「リオちゃん! シオンくんとどういうかんけーなの?」
「えっと、おやどうしがおともだちなの!」
「じゃあ、ユナにシオンくんゆずって! ユナ、シオンくんのことすきになっちゃった!」
ほぇ~、ユナちゃん面食いだね。でもユナちゃんって私のパパの子会社の社長の娘だよね? 田中に報告されたら終わるんじゃ……。田中は私にバレないように護衛しているらしい。初対面で傷つけちゃったからなあり出来るだけ早く謝りに行かないと。それより田中がパパにこのことをちくらないよう祈る。あの人実は親バカだと思うから。
「きいてるの? シオンくんくれないならパパにいうんだから!」
「なにいってるの? ぼくはリオのものだし、リオはぼくのものだよ?」
違いますけど。シオンみたいな爆弾いらないよ!? それに私は私のものですから。まず物じゃないからね。人間だからね。ユナちゃんは好きな人(?)に振られて、そこからが大変だった。もう大泣き。先生が来て何故か私が怒られた。え、なんで? シオンに怒ってよそこは! 涙腺は5歳児なので私も泣きました。安帝に声出さずにシクシクね。多分。泣いていた時シオンに抱きしめられ、(あ、私も思いっきシオンに抱きついてた。)
「せんせ、ぜったいゆるさない。ぼくのリオなかせた」
え、怖いよ? 僕のじゃないよ? ツッコミどころ満載だよ……。
「し、シオン?」
「どしたの?」
「なんでずっとてつなぐの?」
「んー?」
答える気ないでしょこの人。給食を食べる時、ましてやトイレに行く時も着いてこようとしていた。そして今からお昼寝の時間なのだが。問題が起こった。まず、みんなは各自用意しているベッドへ向かう。この時点でおかしい。前世ではお昼寝は地べたにタオルを引いていた私は。一応保育絵なので家のベッドよりは小さいのだろう。まぁ、この時点でおかしいがこれは置いておこう。その中、シオンはというと。
「べっどかうきないしリオとずっとねるよ?」
いや、買って!? 買う気起こして? それにさっきいた先生が急にいなくなって新しい先生が来たけどどういうことなんだろう。もしかして、新しく来た先生はシオンの息がかかってるんじゃ……。5歳のくせに怖いよ。
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