12.

私は先生のおかげで攻略対象の見分け方が分かった。髪の色が少しでもくすんでいたらモブ。だからこの寝ている人は攻略対象の可能性大だ。しゅんも綺麗な髪色をしている。先生も実は攻略対象とかないよね?


「あー、ごめんごめん。友達来るの待っとってん。教室入ったとき知らんやつが俺の席すわっとってん。あ、ついでにLime教えてや。」


なんか……チャラい。この人とLimeなんて交換したら女子の目が怖いし断ろう。


「断られたら俺女の子に言うて慰めてもらお~」


「喜んで!!!?」


仕方ないよこれは。交換するの断ったって知られたら「あの女断ったらしいよ~」ってら噂されるに決まっている。


「あ、もしかしてしゅんのお気にのかなちゃん? 俺始業式の日しか学校来てへんくてさ。今日こそ思たねんけどもう放課後なってもたわ」


学校来る気ないでしょこの人。


「俺、東堂真澄な。じゃまた明日~」


私一言しか話してないよね? よく喋るなこの人。関西人ってそういうものなのかな。私はこの時何も考えていなかったがあと一人でイケメン4人組と出会いイベントが終わる。私がヒロインのポジションにいると気づくのはまだ先のこと。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「つかれた……」


学校が始まって全然日にちが経っていないというのに、キャラが濃いにとたちのせいで疲労感がすごい。


ピロン


「東堂から……『俺やでー!かなちゃんも追加しといてなー!』って」


オレオレ詐欺かよ。 よろしくと返信してスマホを閉じピロン閉じピロンピロン


「東堂うざい!!!」


……しゅんとあかりだった。ごめん東堂。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


今日は水曜日である。水曜日というのは私の初めての委員会活動があるということだ。確か大人しそうな先輩と一緒だった。いかにも文学少女って感じの。今日は、というか今日もあかり、しゅん、れいなと一緒に学校へ向かっている。あかりは私の家と近いから一緒に行くのは分かるんだけね? 2人は大丈夫なのか確認すると「通り道だから」と言われてしまった。ということで今は4人で仲良く登校中だ。私の横にはれいなとあかりがいてしゅんは後ろにいる。私はこれでいいのだろうか。

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