曖昧な月の明かりで






窓を開けて

ベランダへ出る

飲み込んだ息吐き出して

夜の冷気を吸い込む


消えていく姿を

見せてはくれなかった君

今では薄い雲越しに

曖昧に微笑む


いつもと変わらぬように

ひとり雲の海に浮かんでる

曖昧な笑顔で




仄かに照らされた頬に

破り捨てたはずの過去が流れて

埋め立てたはずの感情が溢れて

微かに震える心の先端

誤魔化すように触れた指先も揺れて

どうしようもなさに

座り込み

夜の冷気

頬に触れて

見上げた先に

曖昧な笑顔の君

相変わらずに佇んで

仄かにこの静かで冷えた夜を照らして



このどうしようない夜を照らして



潜む仄暗い影を曖昧にして












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