瞳に映る景色




夏の面影に

手を伸ばして触るような

陽だまりの感触が

冬を瞳に宿して走る風に溶けて

秋の色に頬を染めた木の葉を

喜ばせるように舞い上げる


瞬きの内側の景色に

焼き付けた束の間の温もり

走り抜ける落ち葉に重なる影


瞬きの後に触れた藍色の空に

折れてしまいそうな月が

頼りなさげに微笑んで

秋と冬を混ぜた色の風が

心地よく頬を撫でてゆく



終わりのない日々にも終わりはあると



そんな声がどこからか聞こえたような

そんな気がして

まだ藍色になりきれないでいる

西側の端っこの空を

ただ、ただ静かに見送った











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