『小さなお話し』 その136

やましん(テンパー)

『いやがらせ電話』


『これは、フィクションです。』



 (舞台真ん中で。)


 電話


 『つるるるるる〰️〰️つるるるるる〰️〰️……』



 台風さん (舞台上手にて)


 『はい、こちら、台風ハイシェンツーでござる。』



 やましん


 『こちら、やましんで、ござる。』



 台風さん


 『はて、どちらの、やましんさんであろうかな?』


 やましん


 『このあたりの、やましんにござりまする。』



 台風さん


 『はあ。これは、いかなこと?このあたりの、やましんさんとな?』



 やましん


 『さようでござります。』



 台風さん


 『して、ご用件は?』


 やましん


 『このたびは、このあたりから、アジア大陸方面に、進路を向けていらっしゃるやにお見受けいたしますが、やめて、いただきたいと、思うのでござる。』



 台風さん


 『これはまた、いかなこと。台風といふものは、風のむくまま、気のむくまま、差別もしないのでござる。太古より、こなた、そなたの思うにはかなわぬものでこざる。』


 やましん


 『なんとおっしゃる、台風さん。さいきんは、そなたの、仲間たちが、大挙、共謀し、このあたりから、あのあたりまで、くにに関わらず、あちこちで、乱暴、狼藉の限り。人々を苦しめること限りなし。迷惑なり。来るでないぞ。しっ、しっ。』



 台風さん


 『なんと、これは、はたまた、迷惑でござる。これは、しぜんのなせる技。そなたごときの、知るところではござらんわ。かんらかんら。』


 やましん


 『あそ。では、海水蒸発ドリンクを撒くだけなので、ござる。』


 台風


 『なんと、申される。それでは、人類が滅亡するでこざろう。』



 やましん


 『このさい、やむお、えないのでござる。かけでござる。いやなら、上司をこれえ、これえ、引き出すのでござるぞ。』



 台風さん


 『そおれは、出せと言えば出さないことはないが、良いのでござるか?』



 やましん


 『なにが? はやく、出せばよいのでござる。』


 台風さん


 『では。いざ。ああ、ご主人どの。ご主人どのおお〰️〰️〰️〰️〰️、』



 太陽さん(台風さんの、横に現れる)


 『なにごとか。なに、やましん某なるものが、脅迫をなしたるか。けしからん。すぐに、焼き殺してやろうほどに。いずれに、ある?あれか。そおれ、じりじりじりじり❗』   


 

 やましん


 『おわ、これは、焼けそうでござる。たまらぬ。おああ。逃げよう。すたこら、すたこら。相手が悪かったか。』



 台風さんと、太陽さん


 『にがさぬぞ。にがさぬぞ。丸焼きだ。丸焼きだ。流してしまえ。』



 やましん


 『かんべん、かんべん。』



 台風


 『やるまいぞ。やるまいぞ。』



 やましん


 『いじめだ、いじめだ。かんべん。かんべん。』



 台風さんと太陽さん


 『やるまいぞ。やるまいぞ。やあるまいぞ。やるまいぞ。……………………』



  みな、舞台下手から去る 



 コロナさん(様子見しながら。)


 『ふん。われらは、生き物とも、生き物でもないとも、言われるが、人類は、ごちそうだ。ここは、参加しよう。やるまいぞ。やるまいぞ。……………』


 (あとを、追いかける。)



 地震さん


 『ふん。いまなら、油断ありかな、で、ござろうかな? やはり、追いかけよう。やるまいぞ。やるまいぞ。……………』



 地球さん


 『みな、地球のものは、等しくわが子なり。』


 舞台を上手から下手に歩く。



  ※※※※※※※※※※※※※※



 ひああ、も、くたくたですよ。


 しかし、地球さんに、住む以上は、何があっても、おかしくはないのである。


 それでも、ごはんは、なんかして、食べないとな。


 もっとも、さっぱり、だめよ。


 やっぱ、追いかけよう。


 やあるまいぞ。やるまいぞ。



  (上手から現れて、追いかける。)

 


             おしまい







  

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『小さなお話し』 その136 やましん(テンパー) @yamashin-2

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