第19話 アルバイト見習い?

帝都ホテルの格式ある会場で

「未来型サービス」特別企画第一弾

日本新大学の大川名誉教授による講演会が

いよいよ開始されようとしていた。


当初、招待状を受けた50名だけの入場に限定されていたが

メディアの注目が殺到していた為

冒頭の1時間の基調講義のみ

ネット配信される事になっており

その為、多数の視聴希望が殺到し

5万人を超える視聴予約があった


帝都ホテル前には

50名の招待客が到着する度に

メディアのインタビューを受けていたが佐竹だけは、

「未来型サービス」運営会社チーフデレクターである家村氏と

事前相談をしており、スタッフの一員として

裏方として関わる事になっていた


「家村さん

私は何をしたら良いですか?」


「佐竹さんは

招待客なのですから

仕事なんてしなくて良いですよ!

会場スタッフとして

端の椅子にでも座っていてください!」


「そうはいきません!!

私は手伝いたいのです!

何でもするので指示して下さい!」


「そうですか・・

それなら会場案内でも

お願いして良いですか?」


しかしチーフデレクターの家村氏は

内心冷や冷やしていた・・なぜなら

佐竹こそ選ばれた人物であり

今後の「未来型サービス」事業展開の

キーマンとして関わって貰う事が

「未来型サービス」総帥の狙いであったからだ


「佐竹さん!

メディアがネット配信している間は

裏方として参加でも良いですが

講演会の後半の座談会と

会食会には参加して頂かないと

上層部に叱られてしまうので

それだけは約束して下さい!」


「分かりました・・でもどうして

一般庶民である私が

このような著名な人たちの仲に

加わる事になったのですか?

全く理解できません・・・」


家村さん!

参加者が入ってきましたよ!

あの方々を会場に案内したら良いのですね!

では行ってきます!」


「あっ!佐竹さん!!

そんなに張り切らないでください!

もう聞こえてない・・参ったなぁ・・」


◇◆□■


「未来型サービス特別講演会に

ようこそお越し下さいました!

招待状を拝見して宜しいですか?」

佐竹は事前に教えられたマニュアル通りの

接客をそつなくこなした


「SKエンタープライズ社長の丸岡様ですね!

お席はこちらです!

ご案内致します!」


「君はここの社員かね?」


「いえ・・アルバイト見習いです・・」


「そうか・・

案内を頼んだよ!」

(なかなか感じの良い子だなぁ・)

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