第24話 地下牢
視界がぼんやりとする。
此処は?
頭を横に動かし辺りを確認する。
「あ!」
「
椅子に腰掛け何かを飲んでいる
「
「私、お父さんとお母さんのいる令和の時代に戻れなくなっちゃったの!」
顔を横に向けたまま声をあげた。
「え?」
「コロナで大変な令和より、大正時代の方角が安全だ。て、
「ホントにホントに帰れないと思ったの。」
体も顔に合わせ横向きになる。
私は、ベットの上に寝ていたようだ。
「でも、
「よかった。
そう言うと本当にほっとした。
これで、家に帰れる。
お父さんとお母さんが待っている家に帰れる。
気持ちが走る。
「
私は、上半身を起こして
「え?」
「
「え!」
「もう、帰って来てる。て、」
「ここ、家なの?」
見慣れた岩で、できた天井が天井にあった。
見慣れた岩で、できた壁が、壁にあった。
ここは…
「
直ぐに「お父さんとお母さんは?」と私は、聞いた。
「台所で朝ごはんの支度中。」と
やった。
やった。
お父さんとお母さんに逢える。
やっと、お父さんとお母さんに逢える。
気付かないうちに何回か令和に戻っていたが、逢えるのは、
お父さんとお母さんに逢うの本当に久々だね。
あれ?何日間逢っていなかった?
あれ?最後に逢ったのは…
1ヶ月前かな?
違う、もっと日にちが、経ってる?
3ヶ月、6ヶ月?
…1年経ってる?
あれ?まだ私は、廊下を走っている。
なんかスピードも遅くない?
腕を大きく振ってスピードをあげ…
あれ?私の右手がないよ。
腕を振った感覚がなかったので右手を見たら白い煙に右腕が変わった。
え?
左手を見る。
左腕も白い煙となって、ゆらゆらと流れて行く。
え、え、え、どう言う事?
「お前の等価の代償は、何だ?」
男の人の声が聴こえた。
私の等価の代償は…
足元に視線を落とす…走っている私の足が白い煙に代わりだす。
私が差し出した等価の代償て、なんだっけ?
私が望んだのかな力を?
何のために?
「帰るために。」
私の声が答えた。
私ではない、私の声が。
私は、白い煙になり消えていく。
「はっ!」
息を吹き返した。
勢いよく上半身が跳ね起きた。
此処、此処は何処?
私は、どうなったの?
「
誰かが私に抱きついてきた。
抱きついてワンワン泣いている。
「
そう言って、私に抱きついている
「よかった。」
「本当によかった。」
「「
「死んじゃうかと思った。」
私は、意識が飛んでいた?
此処は、
だとしたら私は、この家から1歩も出ていない?
あれは、夢だった?
胸の辺りから視線を感じる。
自分の視線を下げると抱きついている
「ホント、
「ありがとう
恐怖感みたいなドキドキがずっと続いていた。
これで令和に戻れると思った。
早くお父さんとお母さんに逢いたいと本当に思っていた。
でも、でも、
このままずっと抱き締めていたい。
二度と離れたくないと思う。
あんなに逢いたかったお父さんやお母さんに対する気持ちが薄くなっていく。
さっきのは、夢?
いや、多分現実だと思う。
テレビには、コロノウイルスの第6波のテロップと新しい変異株の名前が映っていた。
夢であそこまで鮮明に覚えている事はない。
ついさっき見たから思い出せる記憶だ。
だとすると私の意識だけが本当に飛んで行ったのかない?
身体が白い煙で消えてしまったのは、此処にいる私の身体が覚醒しようとして、意識の私を呼び戻したのだろうか?
なんとなく自分の推論に納得する。
では、あの男の人の声は、なんだったんだろう?
私の無意識下で、もしも私なら
「お、「
「
「え!外でごはん。」
私は「行く。」と返事をした。
外でご飯か、テンション上がるね。
「じゃー、すぐに準備して出てこいよ。」
「ごはん♪︎ごはん♪︎
嬉しそうにはしゃぐ
その姿が微笑ましい。
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