恋愛事情

 木島の頼みを受けた俺はその後、授業を全て終えて、教室の掃除をして、今は結衣と2人で自転車を漕ぎながら帰宅してる途中だった…


 学校の行き帰りはどちらかが急な用事が無い限り、一緒に帰る事が多い…と言っても結衣は仲良しグループ、木島達と遊びに行ったり、男子に告白される為に放課後呼び出される事が多い為、一緒に帰る事は少なかったりする…


  今日は結衣は放課後は呼び出されず、木島達にも誘われなかった為、2人で一緒に帰宅中だ… 因みに俺と結衣は部活には入って無い…


 結衣が入らない理由は知らないが、俺は部活に入っても何だか、めんどくさそうな気がするので入らないでいる… これは中学も同じだ…


 俺は隣で自転車を漕いでいる結衣に木島に頼まれた事を聞いて見る…多分…教えてくれないだろうけど…


「なぁ…結衣 ちょっと聞いていいか?」


「何? 蓮ちゃん?」


「結衣…お前の好きな相手って誰だ?」


「……また誰かに聞いてくる様に頼まれた?」


「ん そうだけど?」


「はぁ…蓮ちゃんも私にこんな事聞いたって私が言う事はわかってるんでしょ?」


「まぁ…それもそうだが…俺だって気になるんだよ…結衣の好きな相手」


「フフフ…蓮ちゃんも気になっちゃってるんだ!! 私の気になってる人!! ね〜教えてほしい?」


結衣は笑顔になりながらも少し頬を赤らめて聞いてくる…


「まぁ…気になるっちゃ気になるが、その様子だと教えてくれないんだろ?」


「フフフ…大丈夫だよ? 蓮ちゃん…私がその人に告白する時、蓮ちゃんに教えてあげるから…だから…それまで…待っていてね…?」


「いや…俺は今聞きたいんだが…」


「告白する時…必ず…ね? それに蓮ちゃん…私が好きな人を教えて、私とその人がお付き合い出来る様に手伝ってくれたりするの?」


「ま〜 そりゃ幼馴染だからな…幼馴染の恋は全力で応援するぞ 手伝える事があれば全然手伝うし…」


「へ〜そっかそっか じゃこれから先、何か頼むかもね…? フフフッ」


「…….と言う訳で教えてくれ?」


「ダ〜メッ! 恥ずかしいよ… それにその人私の事好きかどうか分からないし…」


「へ〜 俺は結衣に告白されて、振る奴なんて居ないと思うけどな〜」


「嬉しい事言ってくれるね! でもその人に告白するのはもう少し…時間をかけてからでも良いと思うけどね…… 今の関係も楽しいし…」


「あっ…その人とはもう仲良いんだな 初めて結衣の好きな人のヒントを貰った気がする…」


「うん…だって蓮ちゃん…毎回男子から聞いてくる様に頼まれてる見たいだし…ちょっと…大変そうだなって思って…蓮ちゃんにも私がその人とくっつく様に協力して貰わないと行けないしね…」


「それを言うならもう言ってくれても良いんじゃないか?」


「それは恥ずかしいよ! あっもう家が見えて来たよ!! この話はお終い!!」


「何だそりゃ…」


結局今回も聞けなかった…





  翌日になって、学校でさっそく木島が…


「よお… 西谷!! 聞いて来てくれたか? 結衣ちゃん教えてくれたか?」


「いきなりかよ…木島…悪いが今回もダメだった…」


「あ〜やっぱりダメだったか…」


「でも好きな人のヒント的な者は貰った…」


「マジッ!? 教えてくれ!! 西谷っ!!」


「え〜っとね〜 結衣とその相手は仲が良いらしい…以上!!」


「………は?……え…それ…だけ…?」


「それだけ?って何だよ 木島 これ聞いただけでも今回良い方なんだぞ?」


「あっ…あぁ悪い…でも結衣ちゃんって結構仲良い人一杯いるぜ?」


「木島…それを言うなら結衣と仲良い人でもお前らのグループは特に結構結衣と絡んでると思うぞ?」


「へっ? ま….まさか西谷…結衣ちゃんが好きな人が俺達のグループの中に居るかも知れないって言うのか? でもそれ言うなら西谷…お前の方こそどうなんだよ? 結衣ちゃんと付き合い長いだろ?幼馴染な分けだし…」


「いや….俺と結衣はお互いの事を知り尽くしてしまっている…だから…俺と結衣に恋愛感情が付く事は

無い…」


「でもそれはお前から見てそう思うだけだろ? 結衣ちゃんは西谷の事、どう思ってるか、わからないぜ?」


「まぁ…そうなんだけどな…」


「とにかく西谷…俺は次のホームルームで結衣ちゃんと同じ委員会に入る!!」


「へ? 委員会?」


「おう….今日のホームルームはクラスの委員を決めるってよ… 聞いてなかったのか?」


….すっかり忘れてた…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る